ザ・リバティーンズはニュー・シングル“Run Run Run”の音源を公開して、通算4作目となる待望のアルバム『オール・クワイエット・オン・ザ・イースタン・エスプラネイド』をリリースすることを発表している。
2015年発表の『リバティーンズ再臨』以来となる新作『オール・クワイエット・オン・ザ・イースタン・エスプラネイド』は2024年3月8日にリリースされる。アルバムからはザ・リバティーンズらしさもありながら騒々しさもあるインディ・ダンスフロア・アンセムで、20年以上経った立ち位置を振り返る“Run Run Run”が公開されている。カール・バラーは「It’s the lifelong project of a life on the lash(酔いどれ人生における生涯のプロジェクトだ)」と歌い出している。
「チャールズ・ブコウスキーの『郵便局』の男みたいに追い詰められ、惨めな人生から抜け出そうとしていることについての曲なんだ」とカール・バラーは“Run Run Run”について語っている。「ザ・リバティーンズとして最悪なのは型にはまって、常に過去を生き直そうとしてしまうことだからね」
アルバムのタイトルはエーリヒ・マリア・レマルクの反戦小説『西部戦線異状なし』の英語版タイトル『All Quiet on the Western Front』と、バンドがマーゲイトに所有するホテル/スタジオ/レストラン/バーのアルビオン・ルームスにちなんでいるという。アルビオン・ルームスは様々な登場人物と共にアルバム・ジャケットにも登場している。
収録される11曲のソングライティング・クレジットは4人のメンバーで分けられており、『オール・クワイエット・オン・ザ・イースタン・エスプラネイド』はディミトリ・ティコヴォイのプロデュースで、2023年2月から3月の4週間でアルビオン・ルームスにてレコーディングされている。最終的な仕上げはフランスのノルマンディーにあるラ・フェルム・デュ・ゲシュタイン・スタジオで行われている。追加のプロダクションとミキシングはダン・グレチ・マルゲラットが担当している。
アルバムを作曲する試みは以前から報じられていたものの、ジャマイカのポート・アントニオで行ったセッションでカール・バラーとピート・ドハーティの化学反応が復活し、マーゲイトに戻ってゲイリー・パウエルとジョン・ハッサールが合流する形で、アルバムは完成したという。
ピート・ドハーティは次のように説明している。「貴重にも穏やかで結束している時があってバンドとしてまとまったんだ。メンバー全員が貢献したんだよ」
「天にも昇る気持ちだった。ゴールが決まったんだ。連中といられて嬉しかったよ」
「バンドとしてのサイクルが完結したように感じたんだ。やっとこれらの曲をセットリストに加えることができる。いくつかバンガーが入っているんだ。今じゃホテルもオープンさせて、スタジオもやっているけど、それがすべてうまくいった。ザ・リバティーンズとして、さらにアルバムかい? そうなることを願っているよ」
カール・バラーは次のように続けている。「僕らのファースト・アルバムはスタジオにいられることの信じられなさとパニックから生まれた。セカンド・アルバムは全面的な争いと悲惨な状況から生まれた。サード・アルバムは複雑さの中から生まれた。今回のアルバムは全員が同じ場所、同じスピードにいたと思う。繋がっていたんだよ」
新作のトラックリストは以下の通り。
‘Run, Run, Run’
‘Mustang’
‘Have A Friend’
‘Merry Old England’
‘Man With The Melody’
‘Oh Shit’
‘Night Of The Hunter’
‘Baron’s Claw’
‘Shiver’
‘Be Young’
‘Songs They Never Play On The Radio’
2019年に話を聞いた時、ピート・ドハーティは新作がザ・クラッシュの『サンディニスタ』と同じ系統の折衷的なスタイルになると語っていた。
「(フリースタイル・ラップのような)こうしたマッドなアイディアをもとに、カールは『サンディニスタ!』のようなことをやりたいと思っているんだ。フリースタイルもやるし、フォークな曲もやるし、伝統的なドハーティ/バラーによる楽曲もやるっていうさ」
「全体的によかったんだけど、取り掛かり始めるまでが大変だったね。最初のセッションでは落ち着かなくて、不安を感じていたんだ。他のみんなもそうだったかは分からないけど、素晴らしい結果が生まれている。『このバンドで何が起きているんだ? っていう感じだよな』って、みんなが言っていたよ」