ジミ・ヘンドリックスはエレクトリック・レディ・スタジオで収録された39トラックを収録した3CD+Blu-rayのボックスセット『エレクトリック・レディ・スタジオ:ヴィジョン』が9月13日にリリースされることが発表されている。
死去直前となる1970年6月から8月、ベースにビリー・コックス、ドラムスにミッチ・ミッチェルを擁する新生ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスによってエレクトリック・レディ・スタジオでレコーディングされた39トラックをCD3枚に収録したもので、Blu-rayにはニューヨークの画期的なレコーディング・スタジオ誕生を時系列で追う映像ドキュメンタリーに加え、新たに5.1ミックスを施したオーディオ・トラック20曲が収録される。
リリースに先立ってボックスセットからは“Angel (Take 7)”の音源が公開されている。
長編ドキュメンタリー『エレクトリック・レディ・スタジオ:ヴィジョン』は常設スタジオが欲しいというヘンドリックスの意向にインスパイアされ、破産したマンハッタンのナイトクラブの残骸が最新鋭のレコーディング施設へと成長を遂げる、スタジオ誕生の経緯を時系列で追った作品となっている。
ジョン・マクダーモットが監督を、ジェイニー・ヘンドリックス、ジョージ・スコット、マクダーモットがプロデュースを務めた本作には、ジミ・ヘンドリックスが新しいスタジオで初めて行ったレコーディングに参加したスティーヴ・ウィンウッド、エクスペリエンスのベーシストだったビリー・コックス、そしてヘンドリックスが夢を叶える手助けをしたエレクトリック・レディの初代スタッフらとの独占インタヴューが使われている。日本盤は日本語字幕付となる。
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輸入仕様のパッケージには未発表写真、ジミ・ヘンドリックス自身による曲の下書き、ライナーノーツが掲載された豪華カラー・ブックレットが同梱され、日本盤には英文解説の完全翻訳に加え歌詞・対訳、語り訳を掲載した日本版ブックレットが付属する形となる。
「兄には音楽的ヴィジョンがありました」とジェイニー・ヘンドリックスは本作について述べている。「このプロジェクトでは兄自身の音楽だけでなく、兄のエレクトリック・レディ・スタジオに対する不朽の貢献についても光を当てることが適切である気がしました。兄は、感じたものすべてを録音できるホーム・ベースを築くことに心底突き動かされました。兄の人生はあまりに短く終えてしまいましたが、西8丁目52番地のあの魔法の壁に囲まれた場所では、実に多くの才能あるアーティストたちが今も自己表現を行っています」
本作のリリースを記念して、8月8日にはニューヨーク市がマンハッタン西8丁目、6番街とマクドゥーガル通りの間に位置する部分を一時的にジミ・ヘンドリックス・ウェイと命名する。そこはエレクトリック・レディ・スタジオが建てられ、今も存在する区画であり、同日夜にはメディア用の視聴イベントもエレクトリック・レディ・スタジオ内で開催される。