ジミ・ヘンドリックスは11月20日にリリースされる『ライヴ・イン・マウイ』よりドキュメンタリー『ミュージック、マネー、マッドネス……ジミ・ヘンドリックス・イン・マウイ』の抜粋映像が公開されている。
『ミュージック、マネー、マッドネス……ジミ・ヘンドリックス・イン・マウイ』は映画『レインボウ・ブリッジ』の制作の裏側と1970年のハワイ公演を収録したもので、問題の多かったマネージャーのマイケル・ジェフリーが制作し、不運な運命をたどる映画『レインボウ・ブリッジ』の撮影にジミ・ヘンドリックスたちはどう巻き込まれていったのか、その様子がまとめられている。
公開された映像はこちらから。
『ライヴ・イン・マウイ』は2CD+Blu-rayと3LP+Blu-rayでリリースされる。マウイでのパフォーマンスのオリジナル・レコーディングには技術的な問題があったため、映画に使用できるようにミッチ・ミッチェルは1971年、エレクトリック・レディ・スタジオでドラム・トラックをすべて録音し直し、オーバーダブで重ねている。
エディ・クレイマーはその時の様子をこう語る。「オーバーダブ作業でのミッチの仕事ぶりはすごかった。最初のテイクで録れなかったとしても、間違いなく2度目のテイクで仕留めてみせていた。既に叩いたドラムパートを完璧に再現する彼の能力にはびっくりだったよ。録音の問題は時速80キロ近い風だ。なんてったって火山の真横で撮影してたからね。でもミッチは何が何でも修復してみせるという気概だった。ジミが死んで、僕はしばらくテープが入ったクローゼットを開けられずにいたんだ。ミッチは英国人らしい“やればなんでも出来る” という態度で頑張ってくれた。オーバーダブでドラムを重ねるだけなら誰でも出来るだろう。でもそれが分からないように出来るのはマジックだ。彼はすべての曲を知り尽くしていた。素晴らしいミュージシャンとしての、そしてジミと対等かつ協力的パートナーとしてのミッチの感性のなせる技だよ」