クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングはウッドストック・フェスティヴァル出演後に行ったツアーの中から1969年9月20日にフィルモア・イーストで行われたライヴ音源が発掘され、今回、未発表ライヴ・アルバム『ライヴ・アット・フィルモア・イースト 1969』として10月25日に世界同時発売されることが決定している。
リリース決定に伴って“Helplessly Hoping”の音源が公開されている。
ウッドストック・フェスティヴァルに出演したクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングは翌年の1970年に発表するデビュー・アルバム『デジャ・ヴ』のための楽曲の制作に一年の残りを費やしていたが、その中で行われたライヴが1969年9月20日にフィルモア・イーストで行われた公演となっている。
スティーヴン・スティルスとニール・ヤングはロサンゼルスにあるサンセット・サウンド・スタジオで、エンジニアのジョン・ハンロンとともに、オリジナルの8トラック・テープに録音されていた音源のミックスを手掛けたという。
ニール・ヤングはアルバムについて、近年次のように語っている。「(僕たちが)テープを持っていたんだけど、サウンドの臨場感が素晴らしくてね。僕たちはサンセット・サウンドでミックスをしたんだけど、ここで聴こえるのはその場所で実際に聴こえるアナログなエコー音であり、デジタル処理したエコー音は使っていない。プロダクションにおいて僕たちは全てをアナログで突き通した……100%ね。アナログのみさ。デジタルは一切ない。つまり完全にアナログの作品なんだ」
スティーヴン・スティルスは試行錯誤しながら当時のライヴを組み立てていたことを振り返っている。「アコースティック・セットは特に何もしなくてもそれで十分に成り立ったんだけど、今や色んな機材も揃って、ダラス・テイラー(ドラム)とグレッグ・リーヴス(ベース)もいるし、きちんとやらなきゃいけない大規模な公演だったから、とにかくそれにふさわしいものにした。技術的に足りなかった部分は情熱で補ったんだ……とにかくバンドはのりにのっている状態で、まさに“エクスペクティング・トゥ・フライ”、どこかに飛んでいきそうな勢いだったよ」
ニール・ヤングは次のように続けている。。「僕にとってCSNYは、スティーヴン・スティルスと再びバンドを結成し、バッファロー・スプリングフィールドの空気感を再び表現する機会となったんだ。クロスビーが発する偉大なエネルギーは僕たちに常に刺激を与えてくれた。グラハムとスティーヴンの歌声は、デヴィッドと僕の歌声とハーモニーとなり、毎晩高揚感をもたらした。忘れられない最高の瞬間だったよ」
当時を振り返り、グラハム・ナッシュは次のように語っている。「こうやって過ぎてみて改めて楽曲を聴くと、いかに僕たちがお互いを愛し、そして自分たちが作った楽曲を愛していたかというのがわかるね。僕たちは、それぞれが奏でる多様なサウンドを楽しむ4人組だった。静かに一緒に歌う一方で、会場を揺るがすかのように激しくロックをしたんだ」