Marty Friedman、自身の考えるギタリスト論について語る

Marty Friedman

マーティ・フリードマンはギタリストとしてすぐにその人だと分かる独自のサウンドを持つ重要性について語っている。

マーティ・フリードマンは先日、ヘイトブリードのフロントマンであるジェイミー・ジャスタによるポッドキャスト「ザ・ジャスタ・ショウ」に出演して、ギタリストとしてオリジナルのサウンドを持つことの大切さや昨今のメタル・シーンについて語っている。

「僕としては、たとえた多くの音楽を作るのだとしても、その細部のサウンドのすべてに気を配ることが重要だと思うんだ」と彼は語っている。「楽曲に入っているすべての音は、誰かによって決められているわけだからね。偶然で生まれるようなものではないんだよ。偶然だとしても、それを残すかなくすかについては誰かが決めているわけだからね。つまり、すべての音が誰かによって決められているんだ。そのすべてを総合したものが、作り手の音楽的な主張なのであって、その人の音楽的なアイデンティティなんだ」

「ギターをメインの楽器として弾いているミュージシャンについて考えれば、それこそが情熱や魂、緻密さを最も注ぐ部分の一つになるわけでね。つまり、その人の作った音楽が人々の耳に届く頃には、彼らが聴いてもらいたいと思ったまさにその音楽が届けられることになるんだ。どんな音楽であっても、そこには作り手の特有の声が入っていると僕は思っているよ。比較的分かりづらいものもなかにはあるかもしれないけど、ここ何年かで、ファンはそういう部分に関して昔よりも賢くなっていると思うんだ」

マーティ・フリードマンは次のように続けている。「昨日もこのことについて講義をしていてね。と言っても、音楽の講義ではなく、日本語についての講義でこの話をしたんだけどさ。8歳の子供が参加していたんだけど、その子からギターについて訊かれたんだ。とても賢い子で、僕の音楽を知ってくれていてね。僕が8歳だった頃には、文章を作るのもままならなかったっていうのにさ。そういうわけで、ファンが音を聴き分けられるようになったのには、人々が賢くなったっていうのがあると思うんだ。メタルを聴くような人たちは、こういうことに特に意識的になっていると思う」

「つまりさ、君がいる今のアメリカを見渡してみても、周囲にはメタルがないわけでさ。今はメタルじゃないんだ。自分で探し出さないといけないんだよ。見つけることはできるし、メタルは今も素晴らしいものだけど、何十年か前だったら、わざわざ苦労して探し出す必要なんてなかったわけでさ。『ビルボード』のチャートにもあったし、ラジオでもメタルの曲がかかっていたし、近所ではメタルのコンサートがやっていたわけで、今よりも生活のすぐ近くにあったんだ。けど、今は自分で見つけ出さなければいけないわけでね。それがどんな音楽なのか、その細かい部分を見極めようと人々は昔よりも努力していると思うんだ」

「友人の(現メガデスのギタリストである)キコ・ルーレイロと話した時に、僕のギター・プレイを見ると、女性の芸者が優雅に踊っているようなイメージが浮かんでくると言われたことがあるんだけどね」と彼は語っている。「ほら、芸者っていうのは時々踊りを披露してくれるんだけどさ。もちろん、そこには日本との繋がりがあるわけでね。僕はとても日本の影響を受けているから、僕の音楽を聴いた人からそう言われることも理解できるんだ」

「僕たちはアラン・ホールズワースの話もしてね。2人とも彼に会ったことがあって、その時の思い出を話したんだ。彼とはアラン・ホールズワースについての深い話をしたんだけど、その時に思ったのは、アラン・ホールズワースの演奏には彼の感情が表れているということでね。つまり、ミュージシャンが何かを演奏する時には、その人の人生も浮かび上がってくるんだ。その人の内面が浮かび上がってきて、音として耳に入ってくるんだよ」

「そういうわけで、僕はとても日本に影響を受けた人生を送っているから、それが音楽にも表れているんだと思う。アラン・ホールズワースの音楽について言えば、彼の複雑さや彼の人生が、既存のスムース・ジャズを無視していることやジャズの演奏家たちがそれまで軽視していたことを取り入れていることに表れていると思う。彼はありきたりなジャズはやりたくないと思っていて、完璧主義で決して満足することはなかったんだ。彼の音楽を聴くと、そういう感情を汲み取ることができる。だから、いろいろな人たちにその人の人生についてインタヴューしてみたら、その人の演奏との相関性に気付けるんじゃないかな」

マーティ・フリードマンはライヴ・アルバム『ワン・バッド・M.F.・ライヴ!!』を今年10月にリリースしているほか、昨年8月に通算13作目となるアルバム『ウォール・オブ・サウンド』をリリースしている。

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