モリッシーは右翼政党「フォー・ブリテン」への支持を表明していることを受けて世界最古のレコード・ショップで彼の音楽の販売が取り止めになったことが明らかになっている。
カーディフにある世界最古のレコード・ショップとして知られるスピラーズ・レコードは今回、テレビ番組「ザ・トゥナイト・ショウ・スターリング・ジミー・ファロン」への出演でモリッシーが物議を醸していることを受け、モリッシーのカタログ作品の販売を取り止める決定をしたことを発表している。
現地時間5月13日に「ザ・トゥナイト・ショウ・スターリング・ジミー・ファロン」に出演してジョブライアスの“Morning Starship”のカヴァーを披露したモリッシーだが、そのジャケットには「フォー・ブリテン」の三叉のロゴが描かれたバッジが付けられていた。「フォー・ブリテン」党はイギリス独立党の党首選に敗れたアン・マリー・ウォーターズによって2017年に設立されている。
「フォー・ブリテン」の党首であるアン・マリー・ウォーターズはその後、モリッシーのおかげで政党の支持者が急増したとして彼に感謝のメッセージを伝えている。
スピラーズ・レコードでオーナーを務めるアシュリー・トッドは「ウェールズ・オンライン」に次のように語っている。「悲しいことではありますが、スピラーズが今後一切モリッシーの作品を置かないということに対してはまったくもって驚いておりません。ただただ、もっと早く決断できていればと思うばかりです」
モリッシーは2018年に行ったブログサイト「Tremr」とのインタヴューで初めて「フォー・ブリテン」への支持を公にしている。
「どこかの政党に投票するのは僕の人生で初めてのことだよ。僕もようやく希望が持てたんだ。与党が保守党から労働党になって、また保守党に変わって、労働党に戻るっていうのを繰り返すのは、無意味だと思っているんだよ」とモリッシーは語っている。
「フォー・ブリテンはいかなるメディアの支援も受けていないし、よくある子供みたいな人種差別主義者呼ばわりの批判をされてきた。だけど、人種差別主義者という言葉は、『私に同意しないならあなたは人種差別主義者です』っていうこと以外にはもはや意味のない言葉だと思っているんだ。人々はこんなにもすっかりバカになってしまうんだよ」
モリッシーはまた、2018年の4月に物議を醸したインタヴューの中で人種差別主義やイスラム教の「ハラル認証」とISISとの関連について語っている。
また、モリッシーはヒトラーについて「左翼」だったと語っているほか、ロンドン市長のサディク・カーンについては「まともに喋ることができない」としている。モリッシーはその後、イギリスの極右政党である「フォー・ブリテン」党への支持を表明する公開書簡を投稿し、その中で人種差別やファシズムについて「軽蔑する」と綴っているほか、2010年には中国の人々を「亜種」だとも語っている。
モリッシーは5月24日にグリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロングやグリズリー・ベアのエド・ドロステらが参加した新たなカヴァー・アルバム『カリフォルニア・サン』をリリースすることが決定している。