【タトゥー】
村瀬:アキラくん、今はがっつり墨が入ってるけど、最初に会ったときは確か入ってなかったよね?
ナカヤマ:最初はまっさら(笑)。
入れたきっかけは、何の気なしだったんですよ。ずっと入れたいと思ってて、一つ入れてみまして。大正谷さんに「ワンポイントで入れると、もっと入れたくなるよ」と言われ、確かに入れたくなったんですが、その「入れる理由」が無い訳ですよ(笑)。ただ、人間性として凄く大事なことをやってても、”もういいや”癖があるんですよ。
村瀬:リセットしちゃうみたいな?
ナカヤマ:すぐリセットしちゃう。そうやって否定しないと、先に進めないみたいな強迫観念みたいなのもあるんですけど、そのノリで「Plastic Treeを辞める」「違うことやってやる」みたいなことを思わないようにしようと。下手したら、Plastic Treeを辞めて明日からサラリーマンやるとか、俺は言い出しかねない(笑)。そのサラリーマンになれない方法はなんだ(笑)?
村瀬:(笑)。弱い自分を出さない手段として体に彫んだと。
ナカヤマ:それでTATOO。何というか、TATOOを入れることで引けない自分を作ることで、希望を持ったわけです。
村瀬:良くわかるよ。「俺はこれしかない」って追い込む意味合いを持たせてだね。
ナカヤマ:俺はギタリストであり、ロックをやる人間だということで腹をくくろうと。俺はロックというもので人生を行くぞって入れました。
村瀬:なるほどね。
ナカヤマ:これが本音です。なんかお洒落とかじゃなくて、こういう想いをのせて(笑)。まあ、確かにファッション的にも自分の体に消せないもの入れる、異端な方に入っていっちゃいますよね。でもね、そっちよりも「もういいや」な俺を何とかせねばという。ちょっと気に入らないだけで、もう「バンドを辞める」って思っちゃいけない。みんな頑張ってるのに、周りが見えなくなるんですよね。
村瀬:バンドあるあるだよね。若いときは、特にそう言う気持ちが生まれやすい。
ナカヤマ:20年も現場で一緒に居て、やっとそういう気持ちもわかるけど、その当時は言われりゃ気に入らないこともあった。今思い出すと、むしろ周りのメンバーの言ってることの方が全然正しかった(笑)。みんな、育ててくれてありがとう(笑)。
【活動】
村瀬:それちょっと訊きたかったんだ。Plastic Treeは活動期間が長いし、色々あると思ううけど?
ナカヤマ:正直あります(笑)。でも結局、20歳くらいからツレになっちゃうから、そういう学生時代とのツレとはまた違った「家族感」なんだよね。
村瀬:別なファミリーね(笑)。
ナカヤマ:まあ、そのファミリーを一からやるにあたって、最初の1年から5年くらいは小競り合いですよ(笑)。
村瀬:20代はみんなそう。喧嘩だよね。
ナカヤマ:「テメエ、ぶっ◯す」みたいな(笑)。例えば中学生のときに、家族とやり合うようなことをやるわけですよ(笑)。それを経て、「君の言ってることもわかるよ」って頃合になり(笑)、何も言わなくても「わかるわかる、まかせたわ」みたいな感じになるのを繰り返して20年。年齢的にも落ち着いて…もう自分の家族より長いんですよ。普通の家族だって、朝から出て行って夜のご飯まで会うか会わないか、下手したら1日会わないときもあるじゃないですか。でも、バンドのメンバーって不思議なことに真逆で、寝るときにやっと離れられる(笑)。
村瀬:そうそう(笑)。共有時間が長いよね。
ナカヤマ:どこかで意識が変わったんです。人間ですから「もうコイツと会いたくない」とか「コイツと居ると腹が立つ」ってあったけど、楽しいこととか、阿吽で出来るときの喜びとか、そういう時間の方が圧倒的に長いから。
村瀬:じゃあ、今はお互い信頼していられるんだ。
ナカヤマ:敢えていうならそれが信頼なんでしょうね。って、お互い恥ずかしくなっちゃうし、顔が真っ赤になっちゃうから言えないですよ(笑)。前に「これが信頼なんじゃないの」って、切羽詰ってる打ち合わせとかで言ったことあるんですよ。「俺はこう思ってるけど、みんな分かるでしょ?!」みたいな熱い気持ちを言ったら、「うーん、うーん、うーん」って恥ずかしそうに言うんです(笑)。「あ、ごめん、俺も今恥ずかしいこと言った!」って(笑)。
村瀬:みんな受け止めてもくれるんだ(笑)。
ナカヤマ:うん(笑)。「バカなこと言ってんじゃねえよ」でもなく、言葉が詰まった感じで「うーん、うーん、うーん」って、恥ずかしそうに言ってくれるんですよ。村瀬くんもそういうのあるでしょ?
村瀬:俺も今のTEARS OF THE REBELのボーカルのKOJIとは、ブランドもやってバンドも一緒にやってて、1日中一緒にいるわけですよ。しかも、今までやってきたバンドの中で、TEARS OF THE REBELが活動期間が一番長くて、彼が居ないと出来ない事、やれない事があるって言うのも自分で理解出来てるし。持ちつ持たれつって感じ本当に。それがバンドなのかなとも思うし。
ナカヤマ:突き詰めていくと、バンドだけに限らず長い間共にする集団の課程を20年かけて勉強させてもらったみたいな。
村瀬:人として成長はしますよね。まあ、ちゃんと社会に出たことない我々ですから(笑)。
ナカヤマ:(笑)。集団って育ててくれますよね。それが10代のときとか、20代で気づくかな…気づきたくないというか(笑)。
村瀬:敢えてね。
ナカヤマ:俺に対しての助言は「育ててくれてるんだ」とは思いたくない(笑)。30代くらいになると、だいぶ分かるけどさ。40代の今は「ありがとうございます!その言葉欲しかった!」っていう風に聞ける(笑)。ちなみに、なんでブランドをやろうとしたの?だって、転身するなんて多いことだけど、全く不思議では無い訳だけど、片手間じゃない本職じゃないですか?
村瀬:それは、ボーカルのKOJIが、CRIMIEっていうブランドのモデルをずっとやってたのが入り口なんだよね。あるとき、彼がブランドサイドから「やらない?」って話もらって、そのとき「バンドのメンバーも一緒にどう?」って話に展開して。俺は絵も描くし服も好きだけど、知識の無い自分一人では出来ないことじゃない?
ナカヤマ:確かに。
村瀬:ブランドの立ち上げってとても貴重な話だなって。色々考えて、自分も一緒にやりますって。
ナカヤマ:ブランドでデザイナーをやっていくってことと、例えばバンドで衣装を担当するレベルとは違うわけで。それが凄い。そもそもロックの人なのに、服を作りたいって志したわけじゃないでしょ?
村瀬:うん、志してはいないよ。でもミュージシャンでブランドやってる人って、清春さんとかいるじゃないですか。
ナカヤマ:はいはい。でも村瀬くんは、デザインっていうもっと深いところに行くじゃない?変な言い方だけど、そっちとロックを両方で本業にしてるって言ってもいいくらい。
村瀬:そう、やるからにはどちらも本気でやりきってます。妥協無しで。性格的に手が抜けないんで。まあ、相方と二人三脚で進めてる感じかな。
ナカヤマ:これを言ってしまったらなんですけど、音楽にせよデザインにせよ、我々はオトコのロマン系の仕事じゃないですか。天井知らずで、幾つになっても「まだ、頑張ってます」っていうのを選んでしまったじゃないですか。
村瀬:うん。本当にね(笑)。
ナカヤマ:20年やってきたバンドには感謝もしてるし、積み重ねてきたものに関しての等価はいただいてるんですけど、いつでも一年生なんですよね。ここで踏ん反り返って、ベテランっぽい気持ちで曲を作ったときに、バーンって首をはねられたときのことを考えると、いつまでもペーペーでいたいみないな。村瀬くんだって、ギタリストとしてそんなベテランな気持ちでなんてやんないでしょ?
村瀬:もちろん、やんない、やんない。そんな気持ちにもならないしね。
ナカヤマ:どっかで「無理、無理。そういう気持ちは無理」って思ってるんですよ。なんか芸能人だって、居なくなる場面を山ほど見たじゃないですか。で、言葉に出来るようになったんです。「いつでも世の中から消されるんだ俺ら」って。
村瀬:確かに。わかる、それ。もう何十年もギター弾いてるのに「俺、このミュート出来てんのかな」って(笑)。
ナカヤマ:同じく(笑)。対バンとかいくじゃないですか。本気でうまいギタリストが来たら、俺本気でライバル心を持って接しますよ「悔しい、上手いなあ」って(笑)。キングカズが小学生に本気でいく、みたいな。それは、大人気ないとかそんなんじゃないですもん。















