村瀬:それこそ音楽だって、楽器が弾けなくても曲が作れる時代で、それはそれで良しとされてるというか。俺らからいくと「それ、無くね?」って感じもないわけじゃないけど、そういうのも今はアリって言うか。それを否定しちゃいけないし、そういう中でやり続けていかないといけないから。
ナカヤマ:時代性も違いますよね。90年代と今が明らかに違うのが、情報共有のスピードでしょ。我々クリエーター側も、それを手に取るスピードがまるで違う。昔はみんなトロいから(笑)、ガラパゴスで良かったじゃないですか。発信したものに対して4人が集まって、4人共が良いって言えばそれで良かったけど、今は発信しちゃえば、いきなり不特定多数の評価を得られちゃうでしょ。未知の世界とでも言うか…。
村瀬:それも含めてアリの時代なんだよね。それこそ俺らの時代って、ウォークマンから始まってるじゃないですか。
ナカヤマ:そうですよ(笑)。
村瀬:うちらはその過程を全て見てきてる世代で。どっちが良いとかはないけど、その温度差を正直感じるときはあって。でも、それを知ってる・知っていないの良し悪しで、何かを計るものでもないと思うんだけどね。
ナカヤマ:手段が違うだけかもね。”本当にこれを知ってなくちゃいけない”という行為では、90年代の我々世代が1番分が悪い。例えば、音楽の70年代まで遡る方法で、ネットなんかないわけですから。
村瀬:今みたいにYouTubeで何でも探せる時代じゃなかったからね。
ナカヤマ:大先輩の70年代って、また厳しい方々じゃないですか。すし屋の大将じゃないけど「見て覚えろ」って(笑)。そんな親切な人は居ないわけで、何故ならば自分の持ってる情報が、貴重な物だって知ってるからだよね。だからこそ、簡単には譲らないし譲るに値する人間かのジャッジもされる。そのくらい、今と比べると情報を得るのは大変で、その先輩たちも情報は少なかったけど、その分貴重なオリジナリティがたくさんあった。それを学ぶ土台として、例えば譜面とかもきっちり読めなければ、音楽家としては成功できない人たちですから、凄く勉強してますし。そういう人たちに挟まれた、俺らみたいにどうしようもない人間が(笑)。
村瀬:間世代というか(笑)。
ナカヤマ:頼れるものは仲間だけ(笑)。
村瀬:名言!
ナカヤマ:ねえ(笑)。頼れるものはバカな仲間だけって。今の人たちは、バカな仲間も優秀な機械もあるしな。「ツェッペリンのあのリフは、どうやって弾くんだろうって?」っていう情報源さえわからなかったけど、今の子達はYouTubeで1発でバーンって、羨ましい!
村瀬:ホントに便利だよね。俺も当時は得られなかったBOØWYのライブや過去の映像が観れてるし。
ナカヤマ:俺も当時、何回ブート屋に郵便書留を送って買ったか(笑)。しかも、送られてくるのがザラッザラの画像のVHS(笑)。
村瀬:騙された感いっぱいのね(笑)。
ナカヤマ:そう考えると、今の世代のミュージシャンからどういう回答が出るのかは、やっぱ10年後なんだろうね。俺もこの年になって、90年代のミュージシャンの武器は「バカな仲間」って(笑)。30代のときは、その言葉浮かばなくて「どうしようもない世代じゃないですか」って言ったことがあるくらいだけど、改めて言えば”かけがえのないバカ野郎共”が武器ですって言える。ところで、今までこんな内容で取材したことないくらい、ただ飲みの席で熱く語ってる話だよね(笑)。















