インディーズ電力 インタビュー

独占インタビューPART.3では発電ツアーと新曲についてを中心にお送りします。

ーインディーズ電力のきっかけともなった塩釜でのライブから全14箇所をまわった「ゴーゴーレッツゴー電力 発電ツアー」ではバンド、社員(ファン)も含め少なからず変化や違いがあったと思うのですが?

タイジ:最近だとインディーズ電力の雰囲気が好きになってくれた人が来てくれるようになってるよね。

哲:塩釜のときにくだらないことを言いながら「UFO」「津軽海峡冬景色」をロックをやってる3人が流しみたいに演ってるのが既にコミカルな感じがしたし、その500人くらい集まって頂いた人には「震災後、初めて笑いました」なんて人もいたし。そういう雰囲気っていうのは変わってないと思うんですよ。あのときはとっさに演ったこととはいえ、ようこさんのアイディアで”和んで頂こう”っていうね。ただ、その直後に東京もそうだし、西の方に行ったときは”和んで頂こう”ではなかったと思うし、「啓蒙活動」だったからね。

タイジ:その場所によっての雰囲気の違いはあるよね。

哲:堀(潤)さんの映画「変身 − Metamorphosis」に呼ばれたりしたのもそうだけど”どこでも対応できる”っていうのは変わっていないんだよね。

ーそれは昨年の「中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2013」のように、多くの人々に対しても変わることはないと?

タイジ:多分、インディーズ電力は前に5万人いても5人いても変わらないし、そうじゃないといけないと思ってるトコがあるかも。震災以降さ、”絆”とかそういうワードがいっぱい出てきたやん?要はさ”新しい繋がり”なわけよ。3.11があったからようこちゃんを介して哲とやれてるわけ。もちろん、震災以前から音楽はやってるんだけどインディーズ電力は震災で新しくなった部分なわけよ。たまたま3人でやりだしたのは震災がきっかけやから、震災以降の新しい日本の1部だってことだよね。大事なことを言いつつ、楽しく緩くやらんと続かへんしね。その”続ける”ってことがすごく大事なんよ。

ー以前、タイジさんが「反対運動はしんどい、でも賛成運動は続けられる」とお話されていたのですがまさしく今のお話ともリンクしますよね。

タイジ:新しくしてかなアカンことがいっぱいあるわけやん。新しい繋がりを持ってるモノや人や場所が、そこに進んでいける力があるわけよ。インディーズ電力はそういう力があると思う。そういうのを見てマネージャーは「インディーズ電力は売れます!」と言ってた(笑)

哲:最近言わないやつね(笑)

ー読者も僕も売れると思ってますよ(笑)新しいという部分で、インディーズ電力の音源としては現在3曲ありますが新しい社歌の予定について教えて下さい。

タイジ:あれ、社歌何号までいったっけ?けっこうあるよね?

哲:12曲くらいありますよ。

ー”社歌ベスト”出せますね!

タイジ・哲:社歌ベストって(笑)

ようこ:今年中になんとなく出てきますよ。

ースタイルはこれまでのようにそれぞれで作詞/作曲したものを持ち寄ったんですか?

タイジ:そう。それを3人で一緒に演る。

ようこ:そして誰も持ってきた内容に文句を言わないよね。

ー楽曲や歌詞についてですか?歌詞についてですと、音源となっている3曲からの経過もあるので内容に変化がありそうですが?

タイジ:あ、オレあるな。これ哲とよく話してるんだけど、新しくやれてる連中でこういう考え方を持ってるヤツは我々以外にもおるわけやけど、その中で”ビッグ・ヒット”が必要やと。”THE TIMERS”ってすごかったやん。あれを演れたってすごいんだけど、よくよく考えると「清志郎さんはビッグ・ヒットがあったんだよね」と。マスに対して認知された上でああいうことが出来るのがすごいんだと。インディーズ電力も必要でビッグ・ヒットを作るために”言いたいことは言わねばならない”と。中途半端なこと言っても通用しないから振り切ったことを言おうと。で、オレの書き方が”振り切る”って感覚になってるよね。

ようこ:わたしはええわ。ビッグ・ヒット頑張って。

哲:タイジさんが「方向性としてシアターはこう、ZIGZOはこう、インディーズ電力はこうっていうのがあるからバランスが取れる」って言ってて、2人で「そうだそうだ!」って盛り上がったんだけど、次にタイジさんに会ったときに書いてきた曲が「ビッグ・ヒット」って(笑)

一同:(爆笑)

ようこ:それわかりやすいけど、振り切ってるの?

哲:問題定義が1行毎で20個くらいの問題を書いてあって文句が多過ぎるっていう(笑)

タイジ:やっぱ、振り切った先輩たちの作品を改めて聴いてるとすごいもん。

ーFM○京を罵倒する曲を”THE TIMERS”やってましたもんね(笑)

哲:タイムリーなトコだと「○ッグ○ミック○ピリッツ」とかね。

タイジ:○味しんぼ!

ようこ:食いしんぼ!

一同:(爆笑)

哲:食いしんぼ!万歳!

ーこれ時事放談ですか?(笑)

タイジ:そうや(笑)あれは小○館、武装しとるよね。よくある一連のさ、企業のトップが謝りますっていうスタイルと違うよね。

哲:違いますね。ちょっと話がそれるかもしれないけど雁屋(哲)さんみたいに自分への報道でああいう爆弾って最近なかったじゃないですか?風化を止めるためにかどうかはわかんないですけど、「大丈夫だってみんな言ってるじゃん」って言ってる人たちの方が大きな声出しちゃってて、気持ちが悪いなってどっかで思ってたんだけど、それと「インディーズ電力が売れる」と言ってたマネージャーが言わなくなったのが、どっかでリンクしてる気がしていて。風化と共にインディーズ電力も必要とされなくなってきてるんじゃないかと。

ようこ:それはあるかもね。

哲:人間は臭いものには蓋をしたいですからね。でも、だからこそ続けることに意味があると思うし。

ーたった3年でもうそういう雰囲気に社会全体が飲まれてますよね。

タイジ:そっちに持っていこうとする力が強いし、それを望んでるっていうのもあるんだろうけどね。例えば戦争と憲法の話とセットになって、昔の日本に戻りたいっていう思想があるけど、あの考え方って古い戦争のスタイルじゃん。この間、テレビで紛争解決をする伊勢崎さんていう人がおって。その人はアフリカとか中東の紛争を間に入って解決するんやけど、コメントで「解釈を変えて集団的自衛権と言ってるけど、以前の戦争とは違って今の戦争はテロに象徴される”見えない敵”なわけだから、軍備を持っていても解決にはならない。武器を持っていろんな国と繋がって、巨大な武装で解決するやり方ではなくて、武器を持たない人が武器を持たずして話をしに行って、その現在の戦争の根っこをクリアしないと解決しない」って。今の戦争をその人は見えててオレはリアリティがあったな。どうしても”軍備に対する軍備”に成りがちやけど、実はそれを解決するのは軍備の話ではないんよね。

ー先程あった、風化や雁屋さんの話もある意味同じですよね。わかりやすい言葉でいうと”安心”を得たんだと思うんですよね。”軍備対軍備”の方がわかりやすいし、「これは安全なんです」っていう言葉に安心を思うわけで…その結果、不都合な真実は排除されて、心地の良い嘘が充満するっていう雰囲気が今の社会の象徴ではないかと。

タイジ:そうやんな、問題の解決にはならないんよな。だからこそ、インディーズ電力には”言いたいことを言う”っていう振り切ったビッグ・ヒットが必要なんよね。

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