シアターブルック インタビュー

1986年に佐藤タイジ(Vo,Gt)が結成、95年メジャーデビュー。95年に中條卓(Ba)、96年にエマーソン北村(Key)、97年に沼澤尚(Dr)が参加し、様々な遍歴を経て、日本屈指の上記メンバーを擁したバンドとなる。
独占インタビューPART.1では現メンバーの成り立ちについてお送りします。

ーシアターブルックの現メンバーで成り立ちからお伺いしたいのですが、結成28年、来年でデビュー20週年とロックバンドの歴史として、すごく深いですよね。

タイジ:そうなんよ、来年の年越しに何かやるべきじゃないかって話してて。

エマーソン北村:東京ドーム?

一同:(笑)

タイジ:辺りでね(笑)

エマーソン北村:水道橋の歩道橋辺り…歩道橋の橋の下音楽祭みたいな(笑)

タイジ:ウチは長いよ。結成は”THE COLLECTORS”と一緒だよ(笑)

ーその結成からのメンバーであるタイジさんは、今のシアターブルックを想像できてました?

タイジ:出来るわけないっスよ(笑)今のメンバーで1番長いのは中條さんで94年くらい?

中條:95年だね。94年はお手伝い的な感じだったよ。

ータイジさんと中條さんは当時から顔見知りではあったんですか?

タイジ:対バンでね、”KING BEES”の人だったね。

中條:直接の友達ではなかったけど、昔の新宿ロフトで対バン演ってたのが最初。当時のキーボーティストの若林くんがシアターブルックやりながら、ボクのバンドも手伝ってくれてた繋がりがあって。

タイジ:そうそう。対バンで「やっぱあの人上手いよね」って言ってたし。

エマーソン北村:当時のライブハウスってそういうの多いよね。

タイジ:そうっスね。で、オレから声を掛けてね。

ー中條さんはタイジさんから言われたとき、どう思いました?

中條:びっくりしましたよ。対バンになることはあっても、さっき言ったように”友達”って感じではないし、そこまで接点はなかったので。「目立つアフロの人のバンド」っていう印象だったし、ちょっと近寄りがたいなって。

タイジ:中條さんもそうでしたけどね(笑)長髪で髭生やしてハット被ってて。

ーお互いに存在感は強いっていうことですよね(笑)

タイジ:そうやな(笑)で、”KING BEES”がちょうど休止になったんだよ。その噂を聞いて「よし、あのベースの人は空いてるに違いない」って。

一同:(笑)

ータイミングとしてはばっちりだったんですね。

中條:そうですね。休みのタイミングで連絡があって、それから今に至る感じです。

タイジ:で、ソニーと契約するときにヘルプからメンバーになってもらって。バンドでやってるのにソニー以外のレーベルは「佐藤タイジとしか契約しない」っていうケースが多くてさ。

エマーソン北村:そういうの多いよね…

沼澤:「周りいらないから君だけ」っていうのね。

タイジ:多いでしょ?今でもそういうのあるだろうけど「バンドでやってるんだから、そんな不公平な話はないだろう」って。ソニーだけがメンバーと契約って言ってくれたからね。

ーそこでデビュー時のメンバーに中條さんと。その後にエマーソン北村さん?

タイジ:当時のキーボーティストが調子悪くなって、割りと唐突に離脱したんだよね。こっちは「ヤベェ、ライブのスケジュールあるのに」って、結構テンパって…エマーソン北村を候補に挙げたのは中村(当時のエピックA&R)くんだったよね?

中條:そうそう。

タイジ:エマーソン北村って、当時から「オルガンですごい人」って代チョコ(代々木チョコレートシティ)界隈で有名だったんですよ。「エマーソン北村がやってくれるかな?」って。

エマーソン北村:中村さんだっけ?中條くんって思ってたけど…

中條:候補に挙げたのは中村さんですよ。「エマーソン北村って人がいるんだけど」って言われて「えっ、昔一緒に演ったことある」って話になって繋げたんですよ。

エマーソン北村:僕と中條くんは古いんですよ。

中條:87,88年くらいに僕がやってた”KING BEES”に北村さんがキーボードで入ってくれてて。

ー”JAGATARA”や”MUTE BEAT”の時期ですか?

エマーソン北村:より、もっと前ですね。”パラフレーズ”ってバンドをやってるときですね。

中條:そのとき、やっぱり対バンしてたっていう繋がりですね。

タイジ:オレらからしたら「エマーソン北村やってくれるんだ」って感じでしたよ。

エマーソン北村:いやいやいや。当時の僕は”JAGATARA”や”MUTE BEAT”が90年代の初めに終わったあと、代チョコの店員だったんですね。そこで運営していたナツメグレーベルにも関わってたんですけど、それも94年くらいに終わるんです。それから”忌野清志郎&the 2・3’s”のツアーサポートに入ってて、それも終わるタイミングで、どういう人か全く知らないままに「急に必要」ってことだったので入ったんです。

ー先程の中條さんのお話でもそうでしたがタイミング的に…

エマーソン北村:そうですね。変な言い方だけど、当時のキーボードの人が戻ってくるまでのつもりでしたし、戻ってきたらそれまでというのが始まりでしたね。

ー中條さんのときはメジャーデビューのタイミングでしたが、エマーソン北村さんが正式にメンバーとなったのは?

タイジ:公に打ったのは2000年くらいだったね。元々のキーボードが状態的に戻ってこれないってわかったのはもうちょっと前だけど。

エマーソン北村:エピック時代はサポートとして表記をしていて、それが終わったあとからですね。

ー明示的に”メンバー”と示したのがあとだったにせよ、実際のレコーディングやライブにおいては、バンドとして”サポート”という括りではなかったんですよね?

タイジ:そうそう。全然メンバーとしてフィックスしてたね。

ー沼澤さんついては、タイジさんが直接お電話したと以前に伺いました。

タイジ:そう、直電ですよ(笑)ギターマガジンに電話して「ドラムマガジンのヤツ居るか?」って聞いて、ドラムマガジンのヤツに「沼澤尚の電話番号知ってるか?」って聞いて「知ってますよ」と。

沼澤:実家のね(笑)母親と話してるんじゃないかな?

タイジ:「もしもし、佐藤と申します。尚さんにお願いしたい件がありまして…」みたいな(笑)

沼澤:オレ、そのときいないからね(笑)最初はタイジくんとじゃなく、ラッコちゃん(三嶋光博)と話したんだよね。

タイジ:それって、バンドじゃない話でしょ?沼澤さんに「シアターブルックっていうバンドやりませんか?」って話したのを覚えてますよ。

沼澤:カヨちゃん(当時のマネージャー)からすごい手紙が来たのを覚えてるよ、「メンバーには内緒でドラムを探してます」って書いてあって。

中條:「沼澤さんが良いんじゃないか」って話をし出したときに、カヨちゃんが先に手紙を出してお伺いを立ててたんだよね。

タイジ:時系列で言うとカヨちゃんが先でオレが後か…

沼澤:「TALISMAN」のプロモーションキットもすごかったよ。当時、外人バンドとブルーノートに来てて、オレのクルマで送られてきたCDを聴いたら、バンドのベースのヤツが「日本ってこんなカッコイイ音楽やって売れるんだ!」って言ってて。そのときのCDが「TALISMAN」だったね。

ー当時、沼澤さんはアメリカでの活動がメインで、日本の音楽情報って入って来なかったんですか?

沼澤:全然知らない。でもシアターブルックっていうバンド名は知ってたんですよ。「ありったけの愛」のパーカッションをやった田中倫明さんが知り合いで、「シアターブルックってバンドの(当時の)ドラマーが、尚にレッスンして欲しいって言うから電話番号教えても良い?」って言われて。それでラッコちゃんから電話が来たんだよね。あと「ドレッドライダー」のPVを何かの番組で観て「うわっカッコイイ」って思ったしね。そのあとにカヨちゃんからライブを観に来てくれないかって言われて、早稲田の学祭を隠れて観に行ったんですよ。

タイジ:あれ、それ知ってるな。

中條:あとから聞いたんだよ。

沼澤:「メンバーに言ってないから、会わないでくれ」って言われたもん。オレが会ったのは、ラッコちゃんが辞めるってなったあとの赤坂ブリッツだったの。みんなに「初めまして」って言ったのがそこだったね。超満員のワンマンで1曲目の「ドレッドライダー」のイントロが4つ打ちで始まって、ダンサーが花道で踊ってたのをすごい覚えてる。

ーこの一連の流れでお話があって、沼澤さんの気持ちはどうだったんですか?

沼澤:まずタイジくんにどうしても目が行っちゃうじゃないですか?「このギターすごいな」って。アメリカでもこんな人いないですよ。例えばロサンゼルスって仕事をする場所で、そのときに重宝されるプレイや音色で生き延びないといけない。ニューヨークは自分の表現したいことをするために普段はバイトしててみたいな。それらのスタイルとは全く違うシアターブルックを観て「日本はこんなことやれるんだ」って。そう言えば、1曲レコーディングするのに飛行機乗って、1泊2日でロスに帰ったりしてましたね。

タイジ:外タレや(笑)

沼澤:(笑)シアターブルックもPV撮るのにメキシコ行ったりとか、お互いにそういう時代でしたよね。

独占インタビューPART.2では各メンバーによる「佐藤タイジ」「沼澤尚」についてをお送りします。

ー沼澤さんがサポートで入られることになったときは、まだアメリカですよね?

沼澤:そうです。エピック時代はアメリカと日本を行き来してましたね。

エマーソン北村:2000年までですか?

沼澤:そう。オレたち(エマーソン北村)がジャケに出たのは「Reincarnation」からだよね。「オレタチフューチャー」の時代は2人しかジャケに出てなかったし、それまでは”サポートミュージシャン”ってクレジットだったしね。

タイジ:こっちはメンバーのつもりなんだけど、当時の契約なりでそういう線引があったのは疑問だったよね。レーベル変わったタイミングで、おしなべてメンバー表記にしようってなったのが2005年ですね。

ーエマーソン北村さんもそうですし、すでにメンバーとしてやっていたんですよね。

沼澤:気持ちはそうです。だって、自分が日本に戻ったのはシアターブルックがあったからなんで。このバンドがなかったらアメリカにいましたよね。「何をきっかけに帰って来たんですか?」って聞かれるけど「こんなおもしろいことやってるバンド、アメリカにはいなかったから」って答えてるもん。

エマーソン北村:僕もスタジオミュージシャンのようなことをやって来なかったんで、どの人とも”サポート”と”メンバー”の差がつかないですし、だからこそ同じようにレコーディングもライブもするっていうのがある意味、当たり前でしたね。

ー”サポート”という心理が薄いんでしょうし、だからこそ、今のシアターブルックがあるんだと思います。中條さんはリズム隊として、沼澤さん加入によって変化がありましたか?

中條:台風のような?

沼澤:ロサンゼルスのムカつく爽やかな風?

一同:(笑)

中條:正直、大物外人が入って来たと思いましたよ(笑)ちょっと萎縮してやりつつも、吸収できるものがいっぱいあるんだから一緒にやって、プラスになるものが増えていくのが嬉しかったですよね。

タイジ:2人に「メンバーになってくれ」と話ていたものの、バンドサイドとビジネスサイドとの足並みが揃わない状況が4年続いて…晴れてメンバーってなったときは、すごいスッキリしましたよね。今に至って思うことは、要するに人と人の関係って時間が掛かるんだよね。最初からこのメンバーが最高だってわかってんだけど、そこから時間を経てバンドの中での役割も認識して、それを継続出来てるから今があるのであって。ロックバンドに限らず、人の関係って時間掛けて継続して完成するものなんよね。いつもベストな関係性をイメージして継続することで、ベストな関係性になって行くんだっていうのを今のシアターブルックで思うっスね。

ー折角の機会ですので、みなさんがメンバーそれぞれをどう思っていらしゃるかをお伺いしたいです。まずはタイジさんについてをお願いします。

タイジ:悪口言った方がオモロイよ(笑)

ーいや、ありのままをお話して下さい(笑)

沼澤:オレはタイジくんについてというよりもね…メタリカのドキュメンタリー(真実の瞬間)じゃないけど、バンドという組織の中で葛藤しあった上で、1番最近のインタビューとかでラーズが「メタリカの歴史の中で、ベストシェイプだ」と。こんなにもバンドメンバーで仲良くやってる話をメチャクチャ楽しそうに話てて。他のメンバーと自分との関係っていう部分は、オレの場合は「タイジくんについて思う」ってことよりも、「タイジくんに対する自分のこと」だと思う。タイジくんに対する自分のことが、今になってコントロールできるようになって。例えば結婚したこともない人が、結婚について語るなとか…昔、父親と異常に仲が悪かった高1のときはなんだったんだろうみたいなね。それって、親父のこういうところが気に入らなくて、どうのこうのって思ってたりするじゃないですか?それって自分なんだって思うことに時間が掛かっちゃったっていうね。自分のメンタリティーの浮き沈みみたいなところが、こんな歳になってもいっぱいあって、「なんでこういう風にコントロール出来なかったんだろう?」みたいな。このメンバーに自分が入ってから、すっごい迷惑掛けてきたっていうのがよく分かるんですよ。音楽や音楽用語を習ったのが全部英語圏だったんで、音楽のフィールドでの人間関係も日本圏じゃなかったんですよね。それがメンバーに対しては、申し訳なかったなって思うし「これ…オレだったよな」っていうの連続だったっていうのが分かったのがこの1〜2年なんですよ。そこまでにすっごい時間が掛かって…こんだけの濃いキャラクターとルックスの人だからこその、ギターだったりするじゃないですか?曲1つ取っても他に聴いたことがないし、他に観たことないギターだし。そういうのが出てることに対する、自分のアジャストメントがコントロールできていなかったのが「これまで生きてきた50年以上だったのかな?」みたいな。もう16〜7年一緒に演奏してるんですけど、その姿をそれだけ長く観てる人はこの人だけだし、自分の音楽キャリアの中でもこの4人が1番長いんで。今でもバンド内で良いとき悪いときがある中で、そのコントロールをタイジくんは変わらないでいるのに、それに対する自分にそういうことを思いますね。

タイジ:確かに沼澤さんはここ1〜2年前とは違うよね。

沼澤:それなんですよ。オレが変えてるわけではないし、気がつくのが遅いんですよね。人が失敗してるのを見て「ああやっちゃダメなんだ」って思わない。子供のときからダメだって言われてるのにやって失敗したって思わない限り、改善できないタイプだったので。なんであのときに「焼き肉食いたくない」ってオレ言っちゃったんだろうって。「良いじゃん焼き肉でも」って言っておけば、そういう思いしなかったのにみたいな。

タイジ:あるある。焼き肉はある(笑)

沼澤:そういうのが整理されてきて、佐藤タイジっていう人にアジャスト出来てきてるのがここ最近。前からの知り合いっていうのはいますけど、続けてっていう人はここでしかいないから。怒ってたりしたときは自分の適応能力のなさですよね。

ーシアターブルックのカタルシスは、沼澤さんがタイジさんとアジャストすることで行われたんでしょうね。エマーソン北村さんはいかがですか?

エマーソン北村:タイジ先生に言いたいこと?もっとホントの意味でワガママで良いかなって。意外と大きいこと言ってるように思われるんですけど、その時々の流れに流されてというか…自分で具体的に言ってとなると、周りにお伺いしたりってなるんですよ。大きいこと言ってるっていうのはパブリックイメージです。

一同:(爆笑)

エマーソン北村:具体的な話において、ホントの意味での「オレはこうだ」みたいなものが出ても良いじゃないって。

中條:まぁ2人が言ったようにそんな感じじゃないですか?

一同:(爆笑)

中條:近所のガキ大将みたいな感じですよ。近所のガキ大将風なんですけど、それでケンカが強いとかそういう話ではなくて、兎に角騒ぎを起こす中心にいる人。で、本人に魅力があるから周りの人がついて来て、そういうのが出来る人。

沼澤:それで言うとさ、オレが長年思ってることがあって、”どっちでも良いもの”っていうのはどうでも良くて、「良い」「悪い」ってどっちかに言われた方が良くて。「誰にでも好かれる」っていうのはあるわけなくて、みんなが「良い」って思うものを「全然良いと思わない」ってことがあるじゃないですか?ということは自分もそう思われてるわけだし。強烈な個性なので、「すごい良い」っていう人と、「なんとも思ってなかったけどすごい良かった」っていう人がいるのがよく分かる。

ーありがとうございます。では、沼澤さんについてをお願いします。

タイジ:ここ1〜2年でっていうのはすげぇよく分かる。沼澤さんがさっき言ってたアジャストの仕方っていうのが、確かにこのバンドの中で変わったと思うの。シアターブルックは結成以来、1番ええ状態やと思うの。ディールがある・ないとかはどうでもええことで、間違いなくバンドが調子が良くて、それは「沼澤さんが大事なパートなんだな」っていうのが今話し聞いててすげぇ思ったし…90年代から口説いて良かった。

沼澤:(笑)

タイジ:当時、ソニーに金があって、呼んでおいて良かった(笑)

ー(笑)ドラムというパートではなく、人間としてという部分ですよね。

タイジ:そう。それが大事やって思ってるし、それがバンドに反映されてこの良い状態やからね。

エマーソン北村:最初に沼澤さんに教えられたっていうか…「16個の音符があるとしたら、それに収まらない音はないんだよ」っていうこと。もちろん収まらない音はあるんですけど、その音がどこにあるのかっていうところを、把握することが大事だっていうことですね。それを最初のリハで言ってて「なるほどなぁ」って。

沼澤:全然覚えてない(笑)

エマーソン北村:で、今日のネタとして沼澤さんに言うのは、「沼澤さんの演奏は、そこに収まらない部分がありますよ」っていうこと。

一同:(爆笑)

エマーソン北村:それがすごい音で出てますね。僕とかはインディーのシーンでやってきたから、そういうのを全部”雰囲気”で処理する人間が周り多かったんですよ。そういうことが目から鱗だったので、自分にとってもすごくありがたかったですね。

中條:今の北村さんの話の続きじゃないんですけど、いわゆる”プロフェッショナルな音楽家”っていうのはどういうものなのかっていうのは、日本のシーンでいうとスタジオミュージシャン云々は置いておいて、バンドでやるにしても音楽や楽器に対する姿勢とかが「アメリカ仕込み」って言ったら変ですけど、その姿勢が他の人と全然違うっていうのが思い知らされましたね。音楽に対する態度が違うから、それを実感して自分はダメだなって。

一同:(爆笑)

中條:それって音楽だけじゃなくて、それに付随することの体調管理や時間だったり。オレ、すごい遅刻癖があっていつもご迷惑をお掛けしてるんですけど(笑)今日1日の心構えっていうのが違いますね。

ー最大限のパフォーマンスをするために、必要なことを実践されているんでしょうね。

中條:あとはね、すごい細やかなんですよ。

タイジ:”おばちゃん”と言われてる(笑)

中條:一緒にツアーとか周ると細やかなんですよね。

沼澤:隣のうるさいおばさんですよ(笑)

中條:日本ではないところで培われたところなのかもしれないですけど、”レディーファースト”的な。

タイジ:音楽へのマナー的なところでもあるよね。

沼澤:気になることが多いから、良くも悪くもだと思いますよ。その人の長所って、その人の欠点になることも多いでしょ?それの典型的な例だと(笑)アメリカに長く居たっていうのも、良い部分と悪い部分があるなって。

中條:でもそういう人ってあんまりいないから。やっぱり面白い貴重な存在ですよ。

沼澤:だから「これははこうでしょ」って思ってたことが、「そうじゃないかもしれないな」って思うようになったのが、ここ1〜2年って話ですよ。

独占インタビューPART.3では各メンバーによる「エマーソン北村」「中條卓」についてをお送りします。

ー続いて、エマーソン北村さんについてをお願いします。

中條:北村さんのようなミュージシャンになりたいですね。

沼澤:あぁ、オレすっごいわかる。

中條:スタンスっていうか…自分のいる場所のバランス感覚がすごくて。出す音もそうだし、普段の立ち位置もそうだし。このメンバーの中で1番付き合いが古いんですけど、やっぱり昔から見ていて何も変わらないんですよね。それが1つ抜けた個性になっているにもかかわらず、「これでは合わないだろう」っていうのが全くないです。どこへ入っても合っちゃうし、それでいて個性が強い。

ー普通だったら、変わったものが入ると敬遠したくなりますけど、何故かフィットしてしまうっていう。

中條:そう。本質が変わらないで入れているんです。

沼澤:今「変わったもの」って中條くんが言ったことって、当たり前だけど「変わったもの」として聴こえるはずなんですよ。でもそう感じないんだよね。

中條:ジャンルとして”エマーソン北村”になってるんですよ。

沼澤:ホントそう。中條くんが「北村さんみたいになりたい」って言ってるのと、全く同じ気持ちで羨ましい存在ですね。それは違う言い方をするだけなんだけど、作為的だったり変わったことをしたときの聴こえ方が全然ないの。本人としてはそのつもりが全くないんだろうけど、僕の知ってるキーボーティストの中では、エマーソン北村以外は全員「変わったもの」として聴こえてしまう。「あぁ、これ”Donny Hathaway”風ね」みたいな(笑)でもエマーソン北村が弾くと、変わって聴こえないのね。自分の場合だと例えば「”James Taylor”のドラムだったらこういう風に」って知ってたり、実際そう思うこととか演れちゃう自分が嫌なときがあるんですけど、北村さんが同じコードを弾いても何故かオルタナティブに聴こえるんだよね。「今、CM7弾いてるだけだよね?」みたいなときがいっぱいある。

タイジ:そうだよね。シアターブルックのライブでエマーソンが来れない現場があって、「どうする?誰か鍵盤入れる?」って話してたんだけど「エマーソンがいないからって他の鍵盤入れたところで、他の鍵盤はエマーソンじゃないから合わない」と。むしろ、「鍵盤を入れずに別の埋め方をしよう」ってなってパーカッションとかにした現場があったんだけど、そのくらい誰にもマネ出来ない存在なんよね。

沼澤:シアターで違う人の鍵盤の音が鳴ると…

タイジ:「あれ?」ってなるよね。

沼澤:タイジくんがいれば何とかなりそうなんだけど、何ともならないんだよね。

ー”エマーソン北村”っていうコピーが出来ないと。

沼澤:出来ない出来ない。だから羨ましいのよ。

タイジ:だから、オレの”エマーソン北村”は

一同:(爆笑)オレのって…

タイジ:オレの中では…シアターブルックはセルフィッシュレコード出身ですから、数々のハードコア兄さんと仲が良かったんですけど、今現存する日本の音楽業界の中で1番ハードコアですね。

ー”Lip Cream”兄さんでは勝てない?

タイジ:そんなん、完全競合ですよ(笑)その辺のパンク連中なんか軽くあしらわれますよ。オレの中での”エマーソン語録”があって。まずね、最初に演りだした頃にリハやって終わったら片付けとかダラダラやるじゃん?そのときのDJチームが若い連中で、ダラダラやってるのを見たエマーソン北村が「ほらほら、さっさと片付ける」って。

エマーソン北村:言うトコそこなの?

タイジ:あとね、こんな感じで4人でインタビューかコメントかしてたときに、オレがいらないことを言ったらバサッっと「うん、今のいらないっスね」って。

一同:(爆笑)

沼澤:あったね。コメントして「OK!」って出たんだけど、タイジくんがコメントしてたのに「今のNGっしょ」って。

タイジ:ですよね(笑)って。あとね、最近も「この人はハードコアだ」って思ったことがあって。シアターブルックでソーラーのこととかやってるやん?で、ディレクターと話してて、どうしてもオレが書く曲がそっち寄りになってしまうのが、果たしてそれで良いのかと。そういうのがなくなったときに「バンドのイメージとか戻せなかったどうする?」ってミーティングしてたら、エマーソン北村が「戻せなくて良いんじゃないですか?」ってバサッと言うわけ。

沼澤:「あぁ、そっか」って思ったよね。

タイジ:時間の経過によって、考え方が変わって行くことがあったとしても、人間なので変わらない部分もある中でエマーソン北村が言う「変えなくて良い」って言える人はスゲェ少ないと思うんすよ。そういうことが言えるって超ハードコアですよ。

沼澤:助かることが多いよね。

タイジ:そう。理論的にも変えないで仲間を増やしていくことで、再生エネルギーで国がまわるって分かってても、横でそう言ってくれる人がいるというのは力強いですよね。

ーお話を伺っているとエマーソン北村さんは決断力がズバ抜けて高いですよね。ご本人からしたら「そんなことないですよ」って言われちゃいそうですけど。

タイジ:そうかも。明らかに高いよね。

沼澤:要点だけを突いてくる感じだよね。オレは余計なことをいっぱい言ってから話すんだけど、全然真逆(笑)

タイジ:レゲエ業界ってそうなのかな?

エマーソン北村:確かにレゲエ業界の物言いなんですよ。

一同:(笑)

エマーソン北村:「変わらなくて良い」っていうのは、完全に忌野清志郎さんの影響なんですよ。

タイジ:あぁ、なるほどね。エマーソンのキャリアは超ハードなんすよね。今回の話、オモロいんちゃいます?

沼澤:普段、話さないからね(笑)

タイジ:お互いに個々が切り開いてる分野がちゃんとあって、日本の音楽シーンの宝みたいなね。

ーホント、そう思います。シアターブルック自体が唯一無二ですから。最後に中條さんについてをお願いします。

タイジ:よくね、中條さんのことを話すときは”共犯者”と。

一同:(爆笑)

タイジ:これが泥棒団だとしたら、最初に相談するヤツですよ(笑)「あそこの金庫、どうもユルいらしいから取りに行こうや」って最初に持ちかける。このバンド内の図式自体も大体そうだからね。

中條:そうなんだ(笑)

タイジ:オレの中ではそうだよ。

タイジさんにとって、メンバーの中で相談しやすい相手が中條さん?

タイジ:それはあるかもな。このバンドでは1番古いし年齢も近いし、お互いの癖とか手の内が分かってるから余計なこと話さなくて済む。あとは、年上2人は煙草を吸ってないんだけど、オレと中條さんは止めるに至ってない(笑)

ー喫煙談とかありますよね(笑)リズム隊として沼澤さんはいかがですか?

沼澤:オレは”共犯者”ではないけど(笑)シアターブルックで一緒に演って、他の仕事でも「ベーシストは誰が良いか?」ってなったら誘いたい人。それは最も長くリズム隊として演っているのもあるし、自分が変化をつけたときに細かい演奏レベルの話をしなくても、分かってくれる人って中條くん以外にはいないんですよね。

中條:そんなに意識はしてないけど、同じ曲を何度も演ったりすると、その日その日で曲の捉え方が変わったりして。頭でというより、感覚に近いところで沼澤さんと演っているんだなって思いますね。

沼澤:”昨日よりイケてる”ってことが何度もあって。それこそ、この前「ドレッドライダー」をリハで演ったときも思うわけ。何百回も演っていてもすごい良い変化が中條くんだとあるよね。

中條:そのリハはオレも思った。長く演ってる曲でも、超えられることがあるっていうのは面白いですよね。

エマーソン北村:僕はホントはもっと頼りたいです。タイジ先生が言ったみたいに、僕はそんなに一徹に言わないので(笑)

一同:(爆笑)

エマーソン北村:音楽的なリズム面もそうですけど、コード面でベースは決定権があるので常に頼らせて欲しいですね。

ーありがとうございます。先程タイジさんがおっしゃった様に、今のバンド状況が最高になる以前、2007年に休止という形をバンドとして取りましたが当時のバンドの状況や、その決断についてはどう思っていたのでしょうか?

タイジ:何かね…「1回休めた方が良いよ」って感じだったんだよね。感覚的な話だけど「こういう理由で休止」とかではなくて…今考えたら「何で休止したんだろう」って思うくらいやな。イメージとしては1回止めてしゃがんで、もう1回再開して飛ぶときにジャンプアップ出来るようにしようと。そのとき、再開して飛ぶポイントだけは決めといて、そのときはなるべく派手に始めようって。

ーそれが2009年のリキッドルーム?

タイジ:そう。オレの中で勝手に「2009年に日本で皆既日食が見える」っていうのは、何かのきっかけに違いないからその年に復活させようと思ったんよ。今、考えると2009年で良かったって思うし。それから2010年にツアー演って、次は武道館で演りたいって思ってたときに3.11があったけど、ソーラーで武道館が演れて。今の活動があるのも2007・2008年に休んだことが”吉”と出てるんよね。

ー2009年からの活動履歴を辿るとそうですよね。また再開時は、2年の休止中に個々で得たパワーみたいなものがバンドに還元されたのでしょうか?

タイジ:やっぱね、中條さんと沼澤さんが”ブルーズ・ザ・ブッチャー”でずっと演っていたということが、シアターブルックにはデカイことやったね。ドラムとベースの食いつき方が全然違うしね。たまに”ブルーズ・ザ・ブッチャー”でギター弾きに行かせてもらうんやけど、楽しいしさ。それがシアターに還元されたのは嬉しいよね。

独占インタビューPART.4ではシアターブルックの進化についてをお送りします。

ー先程お話に挙がった武道館と、同時にソーラー蓄電池を使用するライブという、バンドにとって変化というより進化があって、”音”と”バンド自身の方向性”の進化があったと解釈しているのですが?

タイジ:そうやな、それはあるわな。

ー周りの環境や自分たちの変化を肯定することで進化したとも言い換えられると思うのですが?

タイジ:そうなんよ。例えば5月にCHABOさんと演ってスゲェ良かったりするわけやん。シアターブルックもどんどん成長してるんだよね。受け入れられる人や場所もどんどん広くなってるのが分かるし。やってみて「あ、これは大変やな」「これは完璧や」ってあるじゃん?色んな人を支ええるだけのバンドになって来て、そうなるとそういう状況でしか出てこない、特殊な落とし穴みたいなのがあるわけ。普通のマネージャーとかじゃムリなことも多いから、こいつ(現マネージャー)と組んだのもデカイよね。

沼澤:よくやってると思うもんね。初めて来たとき絶対続かないって思ったもん(笑)今やおんぶに抱っこっていうか、頼ってるからね。

マネージャー:(笑)

タイジ:ちゃんとシアターブルックに愛情があって、まだこのバンドの特殊な個性の落とし穴を見出さなアカン部分もあるんやけど(笑)彼と一緒にやり出したことは、シアターブルックが調子良い要素の1つやと思う。

沼澤:オレもそう思う。

エマーソン北村:同感。

タイジ:ね。多分、この世代のマネージャーの中で1番優秀やと思うよ。

沼澤:やれてる?大丈夫?

マネージャー:大丈夫です(笑)

タイジ:バンドの成長にマネージャーは重要なんよね。

沼澤:「すいません、他にやることあるんで」っていつ言うかなって思ったけど(笑)

タイジ:冷々することはある(笑)「アイツ、やってくれるかな」って。

エマーソン北村:僕も最初「大変だよ」って言ったもん。

一同:(爆笑)

エマーソン北村:今やね、「大変だけどお願いします」って言ってますけど。

ーチームとしての信頼がバンドの成長や進化に欠かせないということですよね。

タイジ:そう、今それが良い感じになって来てるよね。

沼澤:もう5年やってるもんね。

タイジ:あとはちゃんとこのチームで良い音楽を好きな人にどうやって届けるかっていう。”売れる・売れない”よりも届け方なんやろうな。

エマーソン北村:周りにね。

ー流通云々ではない、別のことですよね。

沼澤:みんなが噂し始めるとかね。例えばこのバンドに5億円出資しますって人がいたとして、街中にシアターブルックのポスターが貼られて売れるわけではないし。”怒髪天”とかは良い例だよね。

タイジ:そうやんね、我々にも希望と可能性があるんよ。それをどう届けるかをみんなでアイディア出して、今までにないやり方を試していかなアカンのよね。

沼澤:CD買わなくても良い時代だし、「SoundCloud」だけで良いっていう若者もいる時代だからね。オレらの時代みたいにレコード屋行って試聴したり、ジャケットがカッコイイから聴いてみたりってしないからね。

ー如何にシアターブルックを自分ゴトとして、インフルエンスしてくれるオーディエンスを増やすことが出来るかが重要なタイミングですよね。

タイジ:そういうことだよね。

ー「フィジカルが買われない」と言われていますが、「CDを売る」ということと「届ける」という値はイコールではないはずで、ライブはいつの時代も変わらないバロメータだと思うんですよね。

タイジ:そう、どういうときもライブはあるからね。

沼澤:ライブにどれだけのお客さんが来てくれるか…「生で観たいな」って思ってくれる人を増やさないといけないし「もう1回観たいな」って思ってくれるライブをしないといけないし。オレたち自身も色んなアーティストやバンドを観て、「もう1回観たい」「2度と観なくていいや」って思うわけだから。こういう職業での勝負はライブだからね。

タイジ:大事なポイントなんよ。

沼澤:楽器を演奏してる側の人間は、それが出来ないと生きていけないからね。この場所(ライブ)でこんな想いが共有出来て、体験が出来るよっていうね。

ー特にシアターブルックは”ソーラー蓄電池”で良い音でライブをしているんですから、これは声を大にして言いたいです。

タイジ:結局、そういうことなんだよね。もうな、他のバンドもソーラーでレコーディングしたって噂も聞くし、統一規格をプレゼンすべきやな。

ー”ソーラーマーク”をシアターブルックで作ってみます?

タイジ:そういうのあったらな。

沼澤:言い方悪いけど”流行りモノ”になった方が良いんですよ。

タイジ:流行って悪いことないもんな。色んな人やれば良いのにって思うんやけど、中々そうならない。

沼澤:自分たちも政治家や活動家でもないけど、単純にソーラーエネルギーの音が良いだけなんだけどね。”TRICERATOPS”の連中は無条件に賛同してくれてっていうバンドもいるしね。

タイジ:音楽業界で意見とかシェアできるヤツいっぱいおるんやけど、一般的なニュースを見たとき、全然そんなノリがないから音楽業界がおかしいのかって思うけど、多分そんなことはないはずやし。音楽の人が自由な物言いをリードする立場で、それはどの時代もそうやったはず。音楽や芸術をやってる人が自由な物言いをしないと他はしないからね。

ーこんなにもアイデンティティが全面に出せる活動はないですよね。

タイジ:単純やからね。

沼澤:「わかりやすいでしょ」って思うんだけどな。

ー冒頭で”個性”による好き・嫌いがあって、それを受け入れる・受け入れないの話とは全然別ですしね。

沼澤:受け入れない理由が分からないよね。

タイジ:受け入れて欲しいからええもん作るしかないんやけどな。

ー現在「もう一度世界を変えるのさ」をレコーディングするにあたり、スタジオで消費する電力を太陽光発電で行うという初の試みの真っ最中なわけですが。

タイジ:レコーディングは初なんよ。

ーこれまでのライブでは、何度も使用されたソーラー蓄電池ですが改めて音の違いを伺わせて下さい。

タイジ:やっぱり最初のリハが衝撃的やったよ。

沼澤:電池で演奏したらどれだけ電気を消費するかってときだね。武道館が本番だったからね。

タイジ:武道館で電池が足りんくなったらヤバイから「ロックバンド、シアターブルックの消費電池量は?」みたいな実験をやってみたときに、繋いでギター鳴らしたときに「全然音良いじゃないすか、何スかコレ」って。あれは超革命的な瞬間やったと思うよ。

沼澤:みんないつもと同じアンプと楽器を使ってるのにね。オレは関係ないんだけど(笑)

一同:(爆笑)

沼澤:みんなの様子を見てたら大騒ぎになってて。

エマーソン北村:ギターとベースは、電気のパワーとピックアップで音を作ってるので如実でしたよね。

タイジ:レンジが広くなってるんだよね。

エマーソン北村:音量が小さくてテンポが遅いと、電池の減りが少ないとかね。

沼澤:激しい曲だと逆で、多く減ったりしてみんなで「へぇー」って。実際にそのあと演った武道館はいつもと違う雰囲気だったのね。いつ電池が切れるかわからない状態で蓄電池が並んでて、自分たちもそうだし、他の出演者・スタッフも”このライブを成功させよう”っていう雰囲気が伝わって来てたよね。

ーオーディエンスも含め志しが一緒だった空間があの武道館だったんですよね。

タイジ:そういうことやな。

沼澤:自分が出演してない場面はステージ以外で観てたんだけど、タイジくんが「このままいけそうです」って言ったときの客席側は、お客さんというよりこのプロジェクトを一緒に作り上げてる集まりっていう感じがしたよね。そのあとの去年やった中津川は感動的で。野外で太陽が昇ってる下で出演者みんなが「これ(太陽)で音が鳴ってる」ってことを言ってくれてて。

タイジ:フェスによっては、我々がソーラー持っていくんやけど、そこまで打ち出せないこととかがあるんよね。中津川に関してはそれを全面に押し出してるから、出演者もオーディエンスもそれについては能動的やよね。「自分がそれを肯定しているからここにいるのだ」っていうのがすごく伝わるし、みんなのモチベーションがすごくクリアなわけ。あそこには確かに”日本の新しい繋がり”っていうのがあるんよね。

ー出演者の方もオーディエンスも、そこで得たものをまた持ち帰って発していくことが先程のお話にあった”届ける”であったり”広がり”になっていくんだと思います。

沼澤:そうだよね。地元の人も、これに携わりたくて集まったボランティアの人からも伝わってきたよね。

ー美しいですよね。

タイジ:美しいんですよ。だから流行った方が良いんですよ。

ー今年で2回目となる中津川 THE SOLAR BUDOKANの開催が決まっていますが、どういった進化を今年は観せられるか少しだけ教えて欲しいです。

タイジ:ステージのレイアウトを変えて、去年より大きくなるんすよ。今年はデコチーム…強力なお兄さんに頼んであって、さらに楽しい感じになるのは間違いないな。

沼澤:今年のはね、みんな観に来た方が良いっすよ(笑)

タイジ:やっぱ体験しないとね。

沼澤:演奏に関して言うと、去年出て頂いた人も新しく出てくれる人もウチらに賛同してくれているのは間違いないんで、「去年の方が良かった」とかそういう次元ではないクオリティで打ち出せると思います。

タイジ:細かい話でいうと、ソーラーパネルで充電しながら放電出来るやつと出来ないやつがあるらしいの。

沼澤:それって使いながら充電するってこと?

タイジ:そうそう。その辺の規格も統一していったら、クオリティも上がっていくはずなんよね。

沼澤:需要が増えるとそうなるよね。家庭でも使用される日が近づいていくわけだからね。

タイジ:やっぱり技術ってホンマに使う最前線のトコで進化していって、進化することで省エネに繋がっていくわけやからな。技術革新が目の前で起こってると思うんよね。

沼澤:ミュージシャンが演奏するときに、エフェクターくらいの携帯感でソーラーの電気が使われるのを自分が死ぬ前に見たいよね。「エフェクターは太陽電池でやってるんだよね」っていう1歩があったら良いよね。

ーテキ屋の発電機も代替できますよね。

タイジ:ソーラーお好み焼きな(笑)ニーズはあるよね。

沼澤:時間掛かるかもしれないけど、小さいところから始めればね。

ーシアターブルックは音楽での言い出しっぺなので、その進化の過程をライブや中津川 THE SOLAR BUDOKANを通して、是非観て欲しいですよね。

タイジ:そうや。またこのバンド上手いから(笑)心配なのが良過ぎるっていうか…昔から聞かない?レコード会社のディレクターとかから「もうちょっとダサくして下さい」みたいな。

エマーソン北村:言われたことある(笑)

タイジ:あるやろ?

沼澤:もうちょっとヘタな感じでとかね(笑)

タイジ:「ちょっとヘボいくらいがちょうど良いんです」って言うわけ。みんなのことをバカにしてるヤツがリーダーシップ取ってる場合があるんすよ。

一同:(苦笑)

ー振り切れた方がカッコイイのに、世の中の「まぁまぁ」が安牌だと思ってる節ありますよね。

沼澤:そうしないと親近感がないんじゃない?

タイジ:親近感とかもうムリでしょ(笑)

沼澤:タイジくんと一緒に演奏すると、自分がカッコ悪いからって敬遠する人いるからね(笑)

ー逆に言えばこのメンバーでないと張り合えないし、個性のぶつかり合いがシアターブルックの音楽を生み出せていて、さらに唯一無二な存在だから肯定する活動に、賛同するミュージシャンやオーディエンスがついてくるんだと思います。

タイジ:そうやな、今年の中津川はダサくない(笑)そういう圧倒的な進化が観れると思うよ。


取材:2014.05.21
撮影:Eri Shibata
インタビュー・テキスト:Atsushi Tsuji(辻 敦志) @classic0330