インディーズ電力 インタビュー

代表取締役社長 うつみようこ(うつみようこ&YOKOLOCO BAND)、専務取締役 佐藤タイジ(THEATRE BROOK,TAIJI at THE BONNET、The Sunpaulo)、常務取締役 高野哲(nil,THE JUNEJULYAUGUST、ZIGZO)の3ピース、アコースティックトリオとファンとスタッフからなる「社員」で形成される組織。2011年3月11日におきた東日本大震災の復興支援を機に創設。
音楽を通して『地域ごとに適応した、地域ごとの責任でつくられる、新しいエネルギー源の確保』の啓蒙活動(これを発電活動という。)を開始。独占インタビューPART.1では3.11からインディーズ電力の成り立ちをお送りします。

ー元々、ようこさんと哲さんが東北でライブをする予定だったんですよね?

高野哲(以下、哲):ようこさんが平間(至)さんに呼ばれて塩釜に行ったんだよね?

うつみようこ(以下、ようこ):その前にあなた(哲)と東北でライブしようねって言って決まってたんだけど、地震があった後に平間さんに誘われたから、その流れで誘ったんだよね。

哲:そうだった。オレからしたら、ようこさんにくっついて行ったら、何か出来るんじゃないかと思ってて。震災の後、色んな人が色んなことやろうとしたけど、特に東京とかは「どうしたら良いかわからん」っていうムードだったじゃないですか?で、オレはなんとなくそう思っていて、ようこさんに「何か東北行く予定あったら連れて行って下さい」ってお願いしていて塩釜に誘ってもらったんです。そしたら「クルマ出せ」ってことで「出します」って言ったら「タイジくん拾って来てくれ」っていう流れですね。

ータイジさんとは面識があったんですか?

佐藤タイジ(以下、タイジ):初対面だよ。

哲:今じゃ何度も行ってますけど、初めて「タイジさん家どこだろう?」って(笑)

ようこ:高野くんは別で誘ってタイジくんは”Johnny Winter”のライブ観に行った帰りに飲みに行ったら私がボソッと「ちょっと東北に行ってくんねん、平間さんに誘われてな」って言ったら、タイジくんが「行く行く!」ってなって。それから平間さんに連絡して、その後に哲くんに電話して「すまんけど迎えに行ってくれ。初対面やけど顔わかるよな」って。

哲:全然わかります(笑)

ようこ:タイジくんに「こちらには高野くんていう若手がいらっしゃるから、ひとつ宜しくお願いします」っていう珍道中が始まったんです。

哲:その珍道中が今に至るって感じですよ。

ようこ:まだ3年前だよ。

タイジ:震災あったときに「これは前代未聞や」ってなったわけやん?これはなんかやらなアカンやろってなってフットワーク軽そうなヤツに「なんかやるぞ、なんかあったら教えて」ってメール出すやん。したらようこちゃんから…あのメールが印象的で「わたしたちミュージシャンの仕事はしばらく後でしょう。今はわたしたちが行っても何の役にも立たへんから2週間後だ」と。そんで「今は自分の体を守るのが1番で枕元に長靴置いとき」って。

ようこ:そんなこと言ってたっけ?

タイジ:そうそう、そのメールがすごい印象的。

ようこ:「長靴置いとき」って言うたのが?

タイジ:「なるほど!」って思って枕元に長靴を置いたよ。まだ全然危険な状態やった中で、そういうこと言ってくれる人は他に1人もおらへんかったから。ようこちゃんは阪神のときの経験もあるし経験値が高い。そのとき、たまたま”Johnny Winter”行って大事なことを教えてもらったよ。

ようこ:ちょうど海外のミュージシャンが来る・来ないのタイミングで”Johnny Winter”は来はって、「チケット1枚余ってるからタイジくん行く?」って言うて一緒に行ったんですよね。

ー前回、タイジさんにインタビューさせて頂いたときに「自分は何も出来なかった中で”ソウル・フラワー・ユニオン”は行っていて後悔が残った」と話されていましたが、今のお話に通じますよね。

ようこ:ウチらは余興で演奏しに行っただけだよ?

タイジ:いやいや、それは我々からしたらデカイ出来事やったんすよ。

ようこ:関西にいたからね。近くにいる人がやれることやろうっていうね。神戸のときと今回の東北は全く事情が違いますから。

ーその東北へ震災直後に行かれましたが、そのときの景色は覚えていらっしゃいますか?

タイジ:最初いわきやったっけ?

ようこ:そうそう。最初いわきで、平間さんが塩釜出身なので塩釜に行ったんです。いわきは小屋だったんですけど、完全に電気がない状態で3人バラバラで演ったんですよね。で、塩釜に行って…

タイジ:電気のないショッピングモールの駐車場やったね。

哲:真っ暗で船がショッピングモールに突き刺さってるような状態で。

ようこ:今ぐらいの時期で夕方から始まったんだけど、わたしたちのときは夜になって、真っ暗で寒いし。

ーさらに電気がないということは生音ですか?

タイジ:そう。他の人が演ってるの観てても聴こえへんし、「これは3人で一緒に演るべきちゃうか?」と。

哲:「大きな声を3つ合わせれば聴こえるんじゃない?」って。500人くらいいらっしゃってたんだけど、ちょうどキャンドル・ジュンがロウソクでライティングしてて、真ん中にそれを取り囲むように1人で弾き語りするんだけど、どうしたって…どんな歌を歌っても雰囲気が寂しいんですよ。我々3人は僕のクルマを楽屋代わりにしてそれを観てたんですけど、「アカン、3人で演って寂しい感じをむしろ笑かしに行こう」ってなって、ようこさんのレパートリー中心に「UFO」「津軽海峡冬景色」と「ありったけの愛」をその場で選んで。

ー”みんなが知っている”っていう…

哲:それを僕もすごく思ってて。さっき、ようこさんの話で阪神のときに”余興”って表現されてましたけど、それぐらいの方がみんなの心が和らぐっていうのをようこさんはわかってたからなんですよね。

ようこ:ヒット曲ないからな(笑)

哲:それも我々のテーマですから(笑)

タイジ:当時、「インディーズ電力」ってワードは思いついてたんや。電力のメジャー会社の1社に頼っていたから、1つ止まったら全部止まるってなるわけで。地方別でメジャーに対するインディーズの電力会社があれば良いじゃないかと話してたのが、いつの間にかバンド名になったという(笑)

哲:最初、いわきのburrowsで演ったときにタイジさんが「原発から1番近いライブハウス」って大きな声で言ってて、そこのお客さんも大喝采でもちろんオレも同じで。次にタイジさんが「インディーズ電力」って言ってる瞬間で覚えてるのは、塩竈市のスポーツセンターが避難所になってて、炊き出しの手伝いとかでお邪魔したんだけど。そこに塩釜市長さんがいらっしゃってて、隣に座ったタイジさんが「市長、インディーズ電力!」って(笑)その2泊3日で「インディーズ電力」って言葉を100回くらいは言ってましたね。

ーまさに”発電活動”ですね。

タイジ:「やりましょうよ、電力会社作りましょうよ。雇用にもなるし」って。

ようこ:気がついたらバンド名になってたんよね。色んな人が名付け親やって言うてますけど、定かではない(笑)

タイジ:いつからそうなったのか全然わからんし(笑)

哲:未だ(仮)だよね(笑)

ー”役職”とかも後付けだったり?

ようこ:気がついたらそういうことになっていて、タイジくんのマネージャーが「会社組織になりました」って言うてて、急に新聞を作ったんだよね。

哲:事後報告(笑)

ようこ:そのあと「フライヤーを作ります」って電気の請求書になってたり、いつの間にか「あ、こういうことになったんや」って。最初は替え歌バンドでもなくって、3人でやった方が早かったとか、コンパクトだったっていう東北でのライブの流れでしたね。

哲:「3人だったらどこでも行ける」っていうところからでしたからね。3人リード・ボーカルだから電気がなくても大きな声でハーモニーも出せるし。最初は替え歌じゃなくて「Come Together」を普通に演ってましたからね。

ようこ:タイジくんが「Rockin’ in the Free World」を違う歌詞にしたら高野くんが替え歌を作り出したんです。

タイジ:その話を紐解いていくと斉藤和義の替え歌(ずっとウソだった)があったからやんね。あれ出たときに叩かれてたときあったやろ?「それ、おかしいでしょ」と。で、オレもやるよってなって、あとは芋づる式に(笑)

哲:(笑)そうそう。ようこさんは「Anarchy in the UK」でオレは「Smoke on the water」とかやり始めましたね。

独占インタビューPART.2では発電活動と社歌をお送りします。

ーライブ活動をしていく中で、替え歌以外に”社歌”を制作されたのはいつ頃ですか?

タイジ:あれはTHE SOLAR BUDOKANを演るにあたって、CD企画の話を頂いたときに「だったら、インディーズ電力で演らして下さいよ」っつうことでオリジナルを作りましょうと。”THE BEATLES”の替え歌とか出されへんし(笑)

ようこ:今度、武道館の前で演る?

一同:(爆笑)

タイジ:パクられる(笑)で、いつの間に社歌になったの?

哲:タイジさんのマネージャーの妄想?

タイジ:そうだね(笑)

哲:「会社組織になりました」って言うからにはそれにまつわる全てのものが…だってバッチを「社章」って言って売りつける(笑)

ようこ:そうそうそう。あれが1番ヒドイよね?”粗品”ってプリントしたタオルを売りつける(笑)

タイジ:粗品なのに売りつける(笑)

ようこ:社歌って普通あるの?乗せられてる?

ー最近はないかも知れないです(笑)だから乗せられてるかも…

ようこ:”妄想”ってさっき言ってたけど”先走ってる”が合ってるかも。

哲:彼(タイジ:マネージャー)はインディーズ電力が売れるって信じてる…信じてました(笑)

タイジ:(笑)最近、言わなくなったな。

哲:そうでもなかったっていう(笑)

タイジ:(爆笑)

ようこ:期待はずれ(笑)

ーこれからですから(笑)「MY ATOM LOVER」「レッツゴー電力」「オリジナル電力」を収録されましたが1人1曲と決められていたんですか?

ようこ:全てが偶然の産物やよ。「 佐藤タイジ Presents A 100% SOLARS」自体もそうやし、会社組織も社歌も偶然やし。

タイジ:因みに社歌を作るっていう考えではないからな(笑)

哲:そもそも社歌が3つあるっておかしいし、社歌が10曲とかになってくわけだから。校歌とかで”校歌第10″とかあったら「どれ覚えていいんだ」ってなるし(笑)

ようこ:体育のときの校歌とかにしたら?

(笑)音源にされる前から演奏されていましたよね?

哲:ライブの本数自体はすごく多いんで、曲が出来たらすぐ演ってましたね。2011年に塩釜で演った流れで、4月に予定されていた「ARABAKI ROCK FEST.11」が、開催日を8月に変更したときも、我々がいきなり呼ばれて。電気のない環境だったからそのときも充電池アンプを持って行ってたし。

タイジ:我々が充電池アンプ持ってたから「武藤昭平 with ウエノコウジ」に貸してやったね。

哲:キャンプファイヤー付近でライブだったんだけど、順番をどっちにするかで話をしてて。「武藤昭平 with ウエノコウジ」さんからしたらようこさんやタイジさんは先輩だから僕らが後からってなってたんだけど、よく考えたら「僕ら充電してたアンプで先に演られて、もしオレらが演奏中にアンプの電池切れたらどうすんだ?」ってなって演る順番を逆にして(笑)

タイジ:そうだ(笑)

哲:で、我々が先に演って切れずに終わったのね。そのあと、「武藤昭平 with ウエノコウジ」さんが演ってる最中に案の定、途中で切れて(笑)「やりぃ〜」なんつって観に行ったら、あの2人は流石で「もっと中に入って来い」って言ってて、その場が1番盛り上がっちゃってて(笑)

ー流石ですね(笑)発電活動としては盛り上がったということで(笑)

哲:ちょっと待って(笑)1回整理するとですね、「社歌」「発電活動」「会社組織」とかを当たり前に話してもらってるけど、オレらがそれを否定してるってダメですよね(笑)

タイジ:(爆笑)そうやな、読者が混乱する。

哲:その体でちゃんと話さないと(笑)こっから乗ります。

ようこ:久しぶりに聞いた言葉やからね。3人集まるの久しぶりなんで。

タイジ:じゃあ何でしたっけ?

ー発電活動ですが(笑)、社歌や替え歌に加えみなさんのトークも割合として多いですよね?

タイジ:そこに関してはね…最近しゃべりが長すぎるっていう。「チャッチャと始めようではないか!」というのが直近のテーマであるんだけど、しゃべりが長すぎて…代表のしゃべりですごいのいっぱいあるからね。ステージ上で過激な下ネタが(笑)

ー活字には出来ない?

タイジ・哲:出来ない、出来ない。

ようこ:まぁ今年で3年目です。1年目は言うことがたくさんあったんよ。2年目も変わらず色々あったし、下ネタばかりじゃなくて言うことがあったけど、3年目になって流石にそれだけではね。漫談グループではないので。

タイジ:”ポカスカジャン”と演ったのはデカかったよね。やっぱプロやから、ホンマにオモロいねんて。「あ、アカン。これはオレらの方がオモロない」てなって。

ようこ:真剣にしゃべるとき・オモロくしゃべるときがあって、演奏もちゃんとしてのバランスで良いんじゃないかと。それがボチボチと長く出来るコツかもしれん。

哲:やっぱ、しゃべりが面白かったときは1曲目やるまでに20分掛かったっていう奇跡を起こしてますんで(笑)みんなでダラダラしゃべってたら「あれ、もう20分経ったよ」って。そもそもギター持ってないヤツがいるっていう。

タイジ:(笑)オモロかったけど、もうね。

哲:”ポカスカジャン”が良いきっかけを与えてくれました。我々はしゃべりをなくしたら何も残らないじゃないかって思ったときもあったんですけど(笑)「違う、歌がある!忘れてた」って(笑)

ようこ:しかも、私は元々しゃべりって言われてるけどタイジくんも高野くんも普段しゃべらないじゃん。ZIGZOで全然しゃべんないよね。

哲:しゃべんない(笑)

ようこ:それが何でこんなしゃべってんの?

ーインディーズ電力はお互いに拾ってくれるからだと思いますよ(笑)

哲:そうかも。やっぱ、ギター&ボーカルでリーダーバンドやってると「MCは暗黙の了解でボーカルがするんでしょ?」みたいな雰囲気だよね。盛り上がるかもわかんないのに一生懸命しゃべってるのに他のメンバーは何してるかって言うと、水飲んだりスタッフと談笑したりっていうムカつくシーンがあるんですけど(笑)ここだとそうならないもんね。

ー別に仕込んでるわけでもないんですよね。

ようこ:今度、”ポカスカジャン”みたいに仕込んでみる?

タイジ:ネタ帳で?仕込む?

哲:それで言うと我々も1度は時事放談しないといけないなって、その日の新聞を買ってこようと。で、夕方に行ったら”東スポ”しか売ってなかったんですよ。

一同:(爆笑)

哲:もはや日付さえ怪しいと言われているね(笑)ていうときに”ポカスカジャン”のプロさを観て…

ようこ:”ポカスカジャン”が決定的だけど、その前からわたしたちのトークは怪しかったよね。

哲:お客さんの引いてく音が聞こえてくる。

タイジ:「ザーーー」って。

哲:我々は未だ夕刊さえも手に出来ないという(笑)

独占インタビューPART.3では発電ツアーと新曲についてを中心にお送りします。

ーインディーズ電力のきっかけともなった塩釜でのライブから全14箇所をまわった「ゴーゴーレッツゴー電力 発電ツアー」ではバンド、社員(ファン)も含め少なからず変化や違いがあったと思うのですが?

タイジ:最近だとインディーズ電力の雰囲気が好きになってくれた人が来てくれるようになってるよね。

哲:塩釜のときにくだらないことを言いながら「UFO」「津軽海峡冬景色」をロックをやってる3人が流しみたいに演ってるのが既にコミカルな感じがしたし、その500人くらい集まって頂いた人には「震災後、初めて笑いました」なんて人もいたし。そういう雰囲気っていうのは変わってないと思うんですよ。あのときはとっさに演ったこととはいえ、ようこさんのアイディアで”和んで頂こう”っていうね。ただ、その直後に東京もそうだし、西の方に行ったときは”和んで頂こう”ではなかったと思うし、「啓蒙活動」だったからね。

タイジ:その場所によっての雰囲気の違いはあるよね。

哲:堀(潤)さんの映画「変身 − Metamorphosis」に呼ばれたりしたのもそうだけど”どこでも対応できる”っていうのは変わっていないんだよね。

ーそれは昨年の「中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2013」のように、多くの人々に対しても変わることはないと?

タイジ:多分、インディーズ電力は前に5万人いても5人いても変わらないし、そうじゃないといけないと思ってるトコがあるかも。震災以降さ、”絆”とかそういうワードがいっぱい出てきたやん?要はさ”新しい繋がり”なわけよ。3.11があったからようこちゃんを介して哲とやれてるわけ。もちろん、震災以前から音楽はやってるんだけどインディーズ電力は震災で新しくなった部分なわけよ。たまたま3人でやりだしたのは震災がきっかけやから、震災以降の新しい日本の1部だってことだよね。大事なことを言いつつ、楽しく緩くやらんと続かへんしね。その”続ける”ってことがすごく大事なんよ。

ー以前、タイジさんが「反対運動はしんどい、でも賛成運動は続けられる」とお話されていたのですがまさしく今のお話ともリンクしますよね。

タイジ:新しくしてかなアカンことがいっぱいあるわけやん。新しい繋がりを持ってるモノや人や場所が、そこに進んでいける力があるわけよ。インディーズ電力はそういう力があると思う。そういうのを見てマネージャーは「インディーズ電力は売れます!」と言ってた(笑)

哲:最近言わないやつね(笑)

ー読者も僕も売れると思ってますよ(笑)新しいという部分で、インディーズ電力の音源としては現在3曲ありますが新しい社歌の予定について教えて下さい。

タイジ:あれ、社歌何号までいったっけ?けっこうあるよね?

哲:12曲くらいありますよ。

ー”社歌ベスト”出せますね!

タイジ・哲:社歌ベストって(笑)

ようこ:今年中になんとなく出てきますよ。

ースタイルはこれまでのようにそれぞれで作詞/作曲したものを持ち寄ったんですか?

タイジ:そう。それを3人で一緒に演る。

ようこ:そして誰も持ってきた内容に文句を言わないよね。

ー楽曲や歌詞についてですか?歌詞についてですと、音源となっている3曲からの経過もあるので内容に変化がありそうですが?

タイジ:あ、オレあるな。これ哲とよく話してるんだけど、新しくやれてる連中でこういう考え方を持ってるヤツは我々以外にもおるわけやけど、その中で”ビッグ・ヒット”が必要やと。”THE TIMERS”ってすごかったやん。あれを演れたってすごいんだけど、よくよく考えると「清志郎さんはビッグ・ヒットがあったんだよね」と。マスに対して認知された上でああいうことが出来るのがすごいんだと。インディーズ電力も必要でビッグ・ヒットを作るために”言いたいことは言わねばならない”と。中途半端なこと言っても通用しないから振り切ったことを言おうと。で、オレの書き方が”振り切る”って感覚になってるよね。

ようこ:わたしはええわ。ビッグ・ヒット頑張って。

哲:タイジさんが「方向性としてシアターはこう、ZIGZOはこう、インディーズ電力はこうっていうのがあるからバランスが取れる」って言ってて、2人で「そうだそうだ!」って盛り上がったんだけど、次にタイジさんに会ったときに書いてきた曲が「ビッグ・ヒット」って(笑)

一同:(爆笑)

ようこ:それわかりやすいけど、振り切ってるの?

哲:問題定義が1行毎で20個くらいの問題を書いてあって文句が多過ぎるっていう(笑)

タイジ:やっぱ、振り切った先輩たちの作品を改めて聴いてるとすごいもん。

ーFM○京を罵倒する曲を”THE TIMERS”やってましたもんね(笑)

哲:タイムリーなトコだと「○ッグ○ミック○ピリッツ」とかね。

タイジ:○味しんぼ!

ようこ:食いしんぼ!

一同:(爆笑)

哲:食いしんぼ!万歳!

ーこれ時事放談ですか?(笑)

タイジ:そうや(笑)あれは小○館、武装しとるよね。よくある一連のさ、企業のトップが謝りますっていうスタイルと違うよね。

哲:違いますね。ちょっと話がそれるかもしれないけど雁屋(哲)さんみたいに自分への報道でああいう爆弾って最近なかったじゃないですか?風化を止めるためにかどうかはわかんないですけど、「大丈夫だってみんな言ってるじゃん」って言ってる人たちの方が大きな声出しちゃってて、気持ちが悪いなってどっかで思ってたんだけど、それと「インディーズ電力が売れる」と言ってたマネージャーが言わなくなったのが、どっかでリンクしてる気がしていて。風化と共にインディーズ電力も必要とされなくなってきてるんじゃないかと。

ようこ:それはあるかもね。

哲:人間は臭いものには蓋をしたいですからね。でも、だからこそ続けることに意味があると思うし。

ーたった3年でもうそういう雰囲気に社会全体が飲まれてますよね。

タイジ:そっちに持っていこうとする力が強いし、それを望んでるっていうのもあるんだろうけどね。例えば戦争と憲法の話とセットになって、昔の日本に戻りたいっていう思想があるけど、あの考え方って古い戦争のスタイルじゃん。この間、テレビで紛争解決をする伊勢崎さんていう人がおって。その人はアフリカとか中東の紛争を間に入って解決するんやけど、コメントで「解釈を変えて集団的自衛権と言ってるけど、以前の戦争とは違って今の戦争はテロに象徴される”見えない敵”なわけだから、軍備を持っていても解決にはならない。武器を持っていろんな国と繋がって、巨大な武装で解決するやり方ではなくて、武器を持たない人が武器を持たずして話をしに行って、その現在の戦争の根っこをクリアしないと解決しない」って。今の戦争をその人は見えててオレはリアリティがあったな。どうしても”軍備に対する軍備”に成りがちやけど、実はそれを解決するのは軍備の話ではないんよね。

ー先程あった、風化や雁屋さんの話もある意味同じですよね。わかりやすい言葉でいうと”安心”を得たんだと思うんですよね。”軍備対軍備”の方がわかりやすいし、「これは安全なんです」っていう言葉に安心を思うわけで…その結果、不都合な真実は排除されて、心地の良い嘘が充満するっていう雰囲気が今の社会の象徴ではないかと。

タイジ:そうやんな、問題の解決にはならないんよな。だからこそ、インディーズ電力には”言いたいことを言う”っていう振り切ったビッグ・ヒットが必要なんよね。

独占インタビューPART.4では今後の活動についてをお送りします。

ーインディーズ電力として、今年の発電活動で予定されていることを教えて下さい。

タイジ:音源(社歌)を出し、ライブ(発電活動)をし…他になんかあるっけ?

ようこ:バンドマンやからさ、色々と思想はあるんやけど音楽を演ってそれこそヒット曲じゃないけど(笑)わかりやすい曲が何個かあって、「今まではこう考えていたけど、これからはこう考えましょう」っていうのを伝えていくのが良いんじゃない?

哲:そうっすね。

ようこ:よく思うんやけど、ミュージシャンは思想家でもないので、得意な分野の音楽が疎かにならないようにしましょうってことでしゃべりを減らそうって言うてたんやな?

哲:思想ばっかり先行しちゃイカンというところね。インディーズ電力っていうテーマがあるので、さっき歌詞の内容が変わってきたいう話もあったけど、振り返るとやっぱりあって。それはそのときのことを歌ってるからね。今歌うと「あれっ?」って思うこともあるし。

ようこ:リアリティがね。「3年前にああいうことあったな」っていうのは思い出すよね。

哲:そうですね。「これ、ちょっと変えようかな?」って思う瞬間もあるけど、やっぱ残っていくものだから。そのときのことを残していくっていうのは、バンドマンの仕事だし。そのときに思ったこととか言いたいことを振り切って言っておく意義ってそういう部分ですよね。

ようこ:人間には忘れるという得意技があるからね。それが良いときも悪いときもあるけど、今回の地震はアカンことやったから。みんな忘れたいことでしょ?忘れたい人もいるし、思い出したい人もいるでしょうし。そして忘れちゃいけないこともいっぱいあったから、それを音楽という表現で自由に残すことが大切なんよ。

タイジ:表現の自由やからね。

ようこ:音楽こそ自由なのに、そうは言ってもあの地震の時期にやれないタイミングもあったしね。タイジくんがライブするって言うたときに「こんな時期にライブするなんて不謹慎や」って言ってる人もいたけど、東京都内は1人暮らしの人が多くて不安じゃん?そういう環境があっても良いじゃんね。あなた(哲)もやったよね?

哲:やってました。

タイジ:音楽が不謹慎って何かおかしいよね。

ー結局、風潮被害と同じだと思うんですよね。音楽を”娯楽”と勝手に定義して、それがいつの間にか自粛することが正しいこととなってしまったタイミングで。

タイジ:オレらにとって音楽はただの娯楽ではないからね。

ようこ:大変な人たちの中ではね、娯楽はないかもしれんけど特に東京の人たちは余裕持たなきゃさ。あのときは言えなかったけど、大変じゃない人たちまでそういう雰囲気に飲まれたところで何も変わらないですから。

哲:「東京が元気出してくれなかったら困る」って東北の人たちに言われましたもん。

ようこ:塩釜行ったとき、おばあちゃんに「あんた、歌うまいから頑張ってな」って言われたもんね。

ー電気や物資等の遮断と共に”楽しみ”まで遮断されていたんでしょうね。

ようこ:そうやな。外からの人の話を聞くっていうのが良くて。内だけだと、外と状況がどうしても違うからね。その為にもこっちは元気づけることしないといかんとね。社歌って今何曲やったっけ?

哲:12曲です。

ようこ:「社歌」っていうアルバム名にする?

タイジ:「社歌ベスト」…”シャカゾンビ”(笑)

哲:いたね(笑)

ようこ:「シーッ!」まだいるよ。うちらもおんなじこと言われてるよ(笑)

哲:「インディーズ電力まだやってんだ」って。

ようこ:あんたらまだ良いけどわたしなんか「まだやってたんだ」って言われるよ。

哲:僕も言われますよ。そのセリフ傷つくんだぞ(笑)

ようこ:傷つくけど慣れるぞ(笑)

ー(笑)続けることの重要さに比べれば…

ようこ:そう、1回こういうことやったらね、死ぬまでやらなアカンのですよ。神戸のときから19年経ってますけど、あのときの子供らが成人しているんよ。

タイジ:”黒猫チェルシー”世代やな。

ようこ:そうやな、次の世代に明るい未来を渡せるまで続けていくしかないんよ。

インディーズ電力に”解散”はないと?

ようこ:結成もしとらんけどな(笑)

哲:結成もしてないので解散もないです。会社なんで倒産はあるかもしれないです(笑)

一同:(爆笑)

ーそこは役員のみなさんに頑張って頂かないと(笑)

ようこ:その為にライブを変わることなく続けますよ。

ー社長にそう言って頂けると安心です。インディーズ電力にようこさんなしではあり得なかったですし、個人的には運命めいたことを感じてまして。哲さんはZIGZOで「じゃあボクは太陽になる」タイジさんはシアターブルックで「その上の太陽はありったけの愛でできてると思いませんか?」と太陽を結びつけたんだと。

タイジ:以前に作ってたの?

哲:そうなんですよ。

タイジ:成るべくして成ったトコあるんやろうな。

ーしかもインディーズ電力に”太陽”は必要不可欠ですから。

哲:今日、タイジさんいるのになんで曇ってんだろ?

ようこ:これから天災を呼ぶ…

タイジ&哲:天災(笑)

ー大丈夫です、これから晴れます(笑)話を発電活動について戻させて頂いて良いですか?

哲:そうだったね(笑)社歌が揃ってきたんで、みなさん期待してる替え歌のおバカな部分が消えつつありつつ…

タイジ:レパートリー増えたよね。

哲:始めた頃に冗談で「夢はメジャーデビュー」なんて言ってたけど、昔”THE TIMERS”が大きなレコード会社から発禁になったりとかしてて。アルバムを作って、大きなレコード会社からメジャーデビュー出来たとしたら、それは社会の仕組みが1つ変わったってことにもなるよね。

タイジ:小○館からとかあるかも(笑)

ようこ:本出してもらって付録で音源つければ良いんじゃない?

タイジ:替え歌の詩集みたいなんはどう?

哲:「インディーズ電力の美○しんぼ万歳!」は?

一同:(爆笑)

哲:話を戻して(笑)さっき「忘れてもいいことと忘れちゃいけないこと」って話てたけど、ようこさんが阪神と今回の差に”原発事故”があるから、同じ次元で語らないって言ってて。原発事故がなければ、もう忘れて新しいものに向かおうとしていたかもしれないって。

ようこ:今回のは範囲が広過ぎたんよ。

哲:原発事故だけ切り出したら地球規模の問題だしね。そういうのが「忘れちゃいけない」部分の問題だし、何十万年も続いていくことだから必然的にインディーズ電力は続けていかないといけないんですよね。

ようこ:わたし幾つまで生きなきゃいけないの?

哲:”第100代うつみようこ”がいるわけですよ(笑)

ようこ:じゃあどっかの女子を騙して入れないとね。

ー会社ですからファンと言う名の社員がいるのでそんなことしなくも大丈夫です(笑)

タイジ:社員(笑)

哲:オレなんか、震災が起きて「あぁどうしよう、何も出来ない」って言ってる代表ですから。タイジさんは「100%ソーラーで」って示してくれるし、ようこさんはこういうときはどうしたらいいかがわかってるから。そこへいいタイミングで一緒にやらせて頂けるのはラッキーだと思ってて。みんなが「インディーズ電力」って胸張って言える存在にしたいですよね。

ようこ:ヒット曲作ればええやん。

哲:ヒット曲とMCの暴走を止めるっていうのが先輩に貢献出来ることっていう(笑)

ようこ:いつも思うけど高野くんのMCが暴走してるんだよ(笑)

哲:(笑)お客さんにとって、オレみたいなぼんやりしてるヤツがけっこう入り口になってると思うんですよね。みんなぼんやりしてたり、何かが引っかかってたりすると思うし。

ようこ:引っかかってるうちはまだいいよ。

哲:それをね、引き上げてあげ続けるのが我々の役目ですから。

ー発電活動に参加している人からしたらインディーズ電力自体が新しいエネルギー源であって、充電をして持ち帰った思いと共に放電しているはずですね。

哲:そういえば「インディーズ電力がきっかけでNPO法人の○○に入りました」って人いましたね。

ようこ:ええことしてるかわからんけどな。

タイジ:結局、我々はこれしか出来ひんからな。

哲:「啓蒙活動」とか言ってますけど、やってることはロックですから。リズム隊入れてエレキにしたら1番のヒットへの近道かもしれない(笑)

ー社外取締役を入れますか?(笑)

タイジ:いや、3人でやりきろうや。まずはビッグ・ヒット出さなアカンし(笑)


取材:2014.05.15
撮影:Eri Shibata
インタビュー・テキスト:Atsushi Tsuji(辻 敦志) @classic0330