「TOUR 2014 BEFORE THE NEXT SLEEP VOL.1『夢は鞭』」 人時 ステージ機材レポート
-理想は佐久間さんの弾いたプレベの音
ーベース自体についても、これまでESPやTopDog、オールドフェンダーからSCHECTERへとメインベースの歴史がありますね。
SCHECTERにしてからもう6〜7年は経ちますね。自分のモデルを作ってからも5年経ってますし。
ー人時さんにずっとジャズベの印象を持っていたんですが、プレベに移行された経緯も伺えますか?
そうですね(笑) 元々、プレベに憧れがあったし、好きなんですよ。でも、当時は自分が思う理想の音が出せないでいたんです。ジャズベの方が扱いは繊細ですけど、繊細に扱えばそれに答えてくれる部分の良さもあって。JJの2ピックアップを良いマスキング具合で調整することが、僕の中で安心できる音創りでもありましたし。逆にプレベの場合は、ほぼプレベの音ですけど、僕の搭載してるピックアップはPPで、今はPの状態で音を出しているので実際とは少しだけ違います。そうすると1つの音しかないので、トーンを絞るとかはありますけど、繊細に扱ってもその音でしかないんです。もちろん、以前に比べると理想の音に近づけるようになってプレベにしているんですけど、まだ至っていないですね。
ーその”理想の音”はイメージではすでにあるものですか?
理想に掲げるという意味では、過去に1度だけ聴いた佐久間さんがプレベを弾いたときの音の太さがあるんです。あの音に今も近づけるようにとは思っていますね。
ーまた、プレベでは物理的なネックの太さ、5弦という部分においてもジャズベとの差はありますよね。
4弦に比べれば弾き辛さはありますけど、さすがに”5弦の人”になってきたと思うので(笑)今回のツアーからはスタイル的にもロック色を押し出すようにしていて。例えば見た目の印象においても少し下げて弾くとかね。
ー前回のインタビューでは「弾きやすくする為に上げて弾く」というニュアンスのことをお話頂きましたが、黒夢でのプレイではそれに当てはまらないと?
やっぱり、個人で動く分には弾きやすさを求めるのは変わらないですけど、黒夢でプレイするということにおいては同じくらい”エンタテイメント性”も重要ですから。常に「過去の自分よりもカッコよく魅せたい」という部分、「今がカッコよく在りたい」という部分が黒夢では強いですね。
ー確かにプレイや音も含め、黒夢でのソロ・パートでは、それが体現されていますよね。
エフェクター関連は、コンプ・シンセベース・ブレンダー・ディレイ・プリアンプ・ディストーションが2つで半分以上がソロ用のものですけど(笑)Markbassの歪みはどちらかと言うとCrunch寄りです。基本、Crunch音が好きなんですけど、試している中でクリーンな音の方がバンドで音が合わさる時の低音の質感が出やすいんです。ハードな曲や勢いのあるの曲、”ここぞ!”という時には、歪ませてますね。
ーベース・ソロでは、存分に発揮されていますね。
試行錯誤しながらですけどね。過去の自分の中でありえないのがコンプだと思います(笑)ここにきて、やっと重要性に気づいたんですよね。