レディオヘッドのフロントマンであるトム・ヨークは新たなインタヴューで元パートナーの死について触れている。
『ニューヨーク・タイムズ』紙のインタヴューでトム・ヨークは、2016年に元パートナーのレイチェル・オーウェンがガンのために48歳で亡くなったことを受けて直面した苦悩について語っている。2015年に別れたトム・ヨークとレイチェル・オーウェンだが、23年にわたってパートナーとして過ごし、2人の子どもをもうけている。
死の直後は集中することが難しかったものの、レディオヘッドのメンバーの援助を受けながら音楽を作ったことで悲しみによる「無気力」から逃れることができたという。
トム・ヨークは次のように説明している。「ああしたことがあった後は仕事をするのが難しくてね。ありがたいことにナイジェルや他のメンバーたちがやさしく仕事を続けるよう後押ししてくれたんだ。ストップして、音楽的なものとの繋がりを断ってしまったしたら、まったく違っていただろうね。というのも、僕は常に音楽に感じていたのはカタルシス的なものだったからね」
「すごくストレスのある時でさえ、音楽とカタルシス的な形で繋がるのが本当に難しくなるんだ。僕が辿り着いたのは、とりあえず音楽と繋がってみるということだった。最終的には音楽に驚かされることになるんだけどね。気づかないうちに音楽に捕らえられているんだよ。トラウマ的な感情を体験した時、感情が鈍くなるというのは事実だよ。世界との関わり方も難しくなる。無気力な感じになってしまうんだよね。でも、僕の場合は仕事を続けることで、音楽を聴き続けることで、そうした無気力さは感じなかったんだ」
先日、トム・ヨークは「デザート・アイランド・ディスク」に出演して、ローレン・ラヴァーンとのインタヴューでも元パートナーの死について語っていた。
父親であることについて尋ねられた際にトム・ヨークはローレン・ラヴァーンに次のように語ったという。「僕には子どもたちの母親にはなれないわけだけどさ。でも、僕らは大丈夫だよ。僕は2人のことを両方とも誇りに思っているんだ。日々、そのことには驚かされている。自分と一緒に彼らがいてくれることが信じられないよ。彼らはそんなすごい人間なんだ」
彼は次のように続けている。「子どもたちの母親が亡くなった時、とても難しい時期を過ごすことになり、それは大変なものだった。本当に大変だったんだよ。娘はすごく苦しむことになったし、僕としての思いは、ちゃんとそれを大丈夫にすることだった。そうなっていることを願ってるよ」
「今は幸運なことに僕には新しいパートナーもいて、彼女はあらゆることに光をもたらしてくれる。それには多くの強さを必要とするわけでさ。それが、もしすべてうまくいって、そうしたことを表現できる音楽を自分が作れていて、人々にとってもまだ重要なものになっているのだとしたら、望むべくもないよね」