レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのギタリストであるトム・モレロは1991年に初開催となったロラパルーザで「ナイン・インチ・ネイルズが全員を打ち負かしていた」と振り返っている。
1991年に初開催されたロラパルーザは90年に開催されていたツアー型のフェスティバルで、2005年には開催地をシカゴとするフェスティバルに変更されている。
第1回のロラパルーザはジェーンズ・アディクションがヘッドライナーを務めており、スージー・アンド・ザ・バンシーズ、リヴィング・カラー、アイスT&ボディ・カウント、バットホール・サーファーズ、ロリンズ・バンド、ナイン・インチ・ネイルズらが出演している。
当時のナイン・インチ・ネイルズはファースト・アルバム『プリティ・ヘイト・マシーン』をリリースしたのみで、それゆえラインナップではマイナーな存在だったが、トム・モレロはロラパルーザに関する書籍でナイン・インチ・ネイルズが人気をさらうことになったと振り返っている。
「初回のロラパルーザ? 言葉を濁さずに言うけど、ナイン・インチ・ネイルズが全員を打ち負かしていたんだ」とトム・モレロは書籍『ロラパルーザ:ザ・アンセンサード・ストーリー・オブ・オルタナティヴ・ロックズ・ワイルデスト・フェスティバル(原題)』で語っている。「バンドのことを聴いたこともなかった。ピンク・フロイド以外でキーボードの入ったカセットテープを買ったこともなかったんだ」
「それでロサンゼルスの公演に行ったんだけど、次の日に『プリティ・ヘイト・マシーン』を買いに走ることになった。彼らはコンサートでやるべきことをやっていた。改宗者を生み出したんだ。私もその一人だった」
ジェーンズ・アディクションのギタリストであるデイヴ・ナヴァロも同書で同じような感想を述べている。「ロラパルーザでナイン・インチ・ネイルズを観たのはそれまでで最もエキサイティングなことだった。今日まで考えてもそうだろうね」