ブルース・スプリングスティーンは亡くなったブライアン・ウィルソンに追悼の意を表明している。
ブライアン・ウィルソンは亡くなったことが遺族によって発表されている。享年82歳だった。「愛する父のブライアン・ウィルソンが亡くなったことを発表することに胸を痛めています」と遺族は述べている。「今は言葉を失っています」
ブルース・スプリングスティーンは訃報を受けて、ソーシャル・メディアで次のように述べている。「ブライアン・ウィルソンはポップ・ミュージック界で最も音楽的に発明的な声の持ち主で、この世のものとは思えないハーモニーの耳を持っていた。彼はアメリカで最高のバンド、ザ・ビーチ・ボーイズにおいて先見の明のあるリーダーでもありました」
「もしもザ・ビーチ・ボーイズがいなかったら、“Racing In The Street”は生まれなかったでしょう。最後のアルバム『ゴッド・メイド・ザ・ラジオ〜神の創りしラジオ〜』に収録されている“Summer’s Gone”を聴いて、泣いてください。さようなら、マエストロ。Eストリートの私たち全員からは愛といつまでも続く美しい恩義しかありません」
ボブ・ディランもブライアン・ウィルソンに追悼の意を表して、次のように述べている。「今日、ブライアン・ウィルソンについて悲しいニュースを聞いた。彼の音楽を聴いて、その才能に憧れていた歳月について考えていた。安らかに、親愛なるブライアン」
Heard the sad news about Brian today and thought about all the years I’ve been listening to him and admiring his genius. Rest in peace dear Brian.
— Bob Dylan (@bobdylan) June 11, 2025
エルトン・ジョンも次のように続けている。「ブライアン・ウィルソンは会った日から常に私にやさしくしてくれました。彼は2003年のトリビュート・コンサートで“Someone Saved My Life Tonight”を歌いましたが、それは自分にとって桁外れの時間でした。私は彼のソロ・アルバムに参加して、彼も私のアルバム『ザ・ユニオン』で歌ってくれた。彼はAIDSファウンデーションでもパフォーマンスを披露してくれました」
「彼のことを人として好きになりましたし、自分のソングライティングにとって最大の影響を与えてくれました。彼は音楽的天才で、革命を起こしました。彼は曲を書くということにおいてルールを一新して、音楽界に永遠の影響を残すことになりました。真の巨人だったのです」
ジョン・レノンとオノ・ヨーコの息子であるショーン・オノ・レノンは追悼の意を表して、次のように述べている。「私のことを知っている人はブライアン・ウィルソンが亡くなって、私がどれだけ胸を痛めているか、分かるでしょう。彼ほど私に影響を与えた人物はあまり多くはありません。幸運にも彼と会って、しばらく時間を過ごすことができましたが、常にやさしく、寛大でした。彼はアメリカのモーツァルトでした。別世界から来た唯一無二の天才だったのです」
Anyone who really knows me knows how heart broken I am about Brian Wilson passing. Not many people influenced me as much as he did. I feel very lucky that I was able to meet him and spend some time with him. He was always very kind and generous. He was our American Mozart. A one… pic.twitter.com/UODb9NdqOl
— Seán Ono Lennon (@seanonolennon) June 11, 2025
ブライアン・ウィルソンは作曲、プロダクション、テクスチャーに関する見事な才能と実験的なアプローチによってポップ・ミュージックが達成し得るパラメーターを変えた現代音楽の天才の一人として知られてきた。
ブライアン・ウィルソンは兄弟のデニス・ウィルソン、カール・ウィルソン、従兄弟のマイク・ラヴ、友人のアル・ジャーディンと共に、大きな影響を与えることになったザ・ビーチ・ボーイズを1961年に結成している。その重層的なヴォーカル・ハーモニーによって一線を画したザ・ビーチ・ボーイズは“Surf City”、“I Get Around”、“Help Me, Rhonda”、“Good Vibrations”といった楽曲で全米シングル・チャート1位を獲得している。そして、1996年発表のコンセプト・アルバム『ペット・サウンズ』でクリエイティヴ面での頂点に達して、ザ・ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』に影響を与えることになった。ポール・マッカートニーはしばしば同作を史上最も好きなアルバムに挙げている。
米『ローリング・ストーン』誌に対してブライアン・ウィルソンの長年のマネージャーであるジーン・シーヴァースは声明で次のように述べている。「ブライアン・ウィルソンはその音楽、精神、強靭さを通して世界に多くのものを与えてきました。彼は素敵で、優しい魂の持ち主であると同時に手強い競合者でもありました。彼のような人は二度と現れないでしょう。神はブライアン・ウィルソンを生み出したことで既成概念を覆してみせました。クリエイティヴ面で天才であるだけでなく、彼は私の知る中でも最も知的で愉快な人でもありました。彼の愛のメッセージはその音楽を通して永遠に生き続けるでしょう」