ニーキャップは本名をリーアム・オ・オハニというモ・カラがテロ犯罪で起訴されてウェストミンスター地方裁判所に出廷するのに先立って、ロンドン各所に屋外広告を出している。
ベルファスト出身のラッパーであるモ・カラは昨年11月のロンドン公演でヒズボラの旗を掲げたことでテロ犯罪で起訴されている。イギリスではこれらの組織への支持を示すことは犯罪となっている。
起訴を受けてニーキャップは罪状を「否定」しており、「自分たちを猛烈に弁護していく」と述べている。「これは政治的な取り締まりだ。これは関心をそらすためのカーニバルだ。自分たちが論点などではない。大量虐殺が問題なんだ」
ニーキャップはハマスやヒズボラを支持しているという説に対して否定しており、個人に対する暴力を煽動しているわけでもないと述べ、映像は「意図的に文脈から切り離された」ものだとしている。
今回、ニーキャップはソーシャル・メディアで「この魔女狩り」を前に「ロンドンにいくつかのメッセージを掲出した」ことを発表している。
投稿は次のように続けられている。「イギリスの裁判所は長年、罪も犯していない北アイルランドの人々を『テロリズム』の罪で起訴してきました。私たちはそれと闘っていきます。私たちは勝利を収めるでしょう」
ロンドンに掲出された屋外広告は「More Blacks, More Dogs, More Irish, Mo Chara」というもので、20世紀半ばに一部の人の入店を断る差別的なスローガン「No Blacks, No Irish, No Dogs(黒人、アイルランド人、犬は入店禁止)」をもじったものとなっている。
この差別的なスローガンの看板は、戦後イギリスで人種的・社会的な緊張が高まっていた時代に、住宅や店舗に貼り出され、人種的・社会的偏見を象徴するものとなっていた。
先月、ニーキャップはワイド・アウェイク2025でヘッドライナーを務めた際に「6月18日に空いている人はケタミンのバッグを持って、ウェストミンスターに向かおう」と呼び掛けていた。
この時のステージでニーキャップはテロ犯罪で起訴されたことに言及して、「コーチェラでやったようにグラストンベリー・フェスティバルでも語る」ことを阻止して、「沈黙させる」ためのものだと述べている。
「私たちが多くの人に語りかけているという事実、そして大多数の人が同意していると見られることは私たちが歴史の正しい側にいることを示している」とモ・カラはワイド・アウェイクのステージで語っている。
ニーキャップに寄せられている批判については所属レーベルが表現の自由を支持する公開書簡を発表しており、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロ、パルプ、フォンテインズD.C.、アイドルズ、マッシヴ・アタック、ポール・ウェラー、プライマル・スクリームらが賛同している。