ザ・フーのギタリストであるピート・タウンゼントは1967年に開催されたモントレー・インターナショナル・ポップ・フェスティバルを振り返り、「もうドラッグはやらない」と思った瞬間について語っている。
先日、ザ・フーは「ザ・ソング・イズ・オーヴァー・ノース・アメリカ・フェアウェル・ツアー」を行うことを発表して、ロンドンのピカデリーにあるアイコニック・イメージズ・ギャラリーで記者会見を開催している。ザ・フーはアルバムやミュージカル『トミー』、ウッドストック出演が「バンドをアメリカのポップ・カルチャーに定着させることになった」として、モントレー・インターナショナル・ポップ・フェスティバルに出演したことについても触れている。
ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、オーティス・レディング、サイモン&ガーファンクル、ママス&パパス、ザ・バーズらが出演したモントレー・インターナショナル・ポップ・フェスティバルはロック・フェスティバルの草分けとして知られており、「サマー・オブ・ラブ」の真っ只中で開催されている。
「モントレーの思い出は複雑だね。というのも、ジミ・ヘンドリックスが出ていたからね」とピート・タウンゼントは語っている。「ジェフ・ベックやエリック・クラプトンといった他のギタリストたちと同様に、彼には影響を受けていたからね。ジミ・ヘンドリックスが初期にロンドンでやったライヴはすべて観に行った。3週間で20公演くらいやったんだ。そのすべてがスペクタクルで、心を揺さぶられるものだった」
「それで彼がモントレー・インターナショナル・ポップ・フェスティバルに出て、これまでにない形でギターを壊すと聞いた。ものすごく緊張したけど、美しいイベントだった。ブライアン・ジョーンズも来ていたのを覚えている。彼がジミとザ・フーどっちが先に出るかどうかでコインで賭けをしたんだ。ジミ・ヘンドリックスの後にザ・フーが出るのは嫌だなと思っていたね。ジミ・ヘンドリックスは最高のパフォーマーだからね。今もそう思っている。本当に素晴らしいギター・プレイヤーだったんだ。ロジャー・ダルトリーほど歌がうまいわけではなかったけどね」
ピート・タウンゼントは次のように続けている。「それでザ・フーがジミ・ヘンドリックスの前に出ることになった。安心したよ。ジミ・ヘンドリックスのステージはママ・キャスの隣で観ていた。彼女が俺をつかんで『彼があなたみたいなことをやっているわ』と言ったけど、それが本当だったらよかったのにと思うよ」
しかし、ピート・タウンゼントはロンドンへ帰る途中で事態は悪い方向へと転がっていったことにも触れている。「あとは帰る途中でちょっと一大事があったんだ。グレイトフル・デッドのケミストからSTPという小さな錠剤をもらったんだ。帰りの飛行機はロジャー・ダルトリーが天使のように見えて、フライト・アテンダントのことは小さな豚のように見えていた」
「ヒッピー時代の真っ只中でイギリスに戻ってきて、もうドラッグはやらないと決めたんだ」
16公演に及ぶフェアウェル・ツアーは8月16日にフロリダのアメラント・バック・アリーナで開催される公演から始まり、9月28日にラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで開催される公演で締めくくられる。
先日、ピート・タウンゼントはドラマーのザック・スターキーについてバンドから離脱することはないと否定している。