U2のフロントマンであるボノはドナルド・トランプ大統領から非難を受けたブルース・スプリングスティーンを支持することを表明している。
ボノはアメリカのテレビ番組『ジミー・キンメル・ライヴ!』に出演して、ドナルド・トランプ大統領とブルース・スプリングスティーンの諍いについて触れている。ブルース・スプリングスティーンはマンチェスター公演で「腐敗して能力のない裏切りの」現政権を批判して、ドナルド・トランプ大統領については「不適格な大統領」と評していた。
ドナルド・トランプ大統領はこの発言を受けてブルース・スプリングスティーンについて「干からびたプルーンのようなロッカー」として、「才能ある人物ではない」と述べている。ドナルド・トランプ大統領はその後も自身のソーシャル・メディアであるトゥルース・ソーシャルで、ブルース・スプリングスティーンの「違法な選挙参加」について「大規模な調査を行うことを要求する」と述べ、ゴルフ・ボールを当てる合成の動画も公開している。
ジミー・キンメルからどちらの側につくのかと訊かれたボノは大喝采を受けながら次のように答えている。「アメリカにはボスは一人しかいないと思うよ」
ボノはカマラ・ハリス元副大統領を支持したことを受けてドナルド・トランプ大統領から名前が挙がったことについても触れている。「ポイントは二つある。一つはブルース・スプリングスティーン、ビヨンセ、オプラ・ウィンフリーの仲間になったということで、このバンドで僕はタンバリンを演奏する予定なんだ」
「二つ目は、U2や僕はどこかの政党の候補者を支持するためにパフォーマンスを披露して、お金をもらったことはないということだ。そんなことは一度もない。トゥルース・ソーシャルとか言っているのは知っているけど、だいぶアンチソーシャルのように見えるけどね。まったく事実じゃないことが多いよね」
ブルース・スプリングスティーンに対するドナルド・トランプ大統領の反応を受けて、ニール・ヤング、エディ・ヴェダー、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロらはドナルド・トランプ大統領をさらに批判する声を上げている。
先日、ボノは2025年のアイヴァー・ノヴェロ賞授賞式でハマス、ベンヤミン・ネタニヤフ首相、イスラエルに対してメッセージを表明している。
U2はアイルランド人のアーティストとして初めてジ・アイヴァーズ・アカデミーのフェローとなっている。フェローになることはジ・アイヴァーズ・アカデミーが授与する最高の栄誉とされている。授賞式はロンドンのグロヴナー・ハウスで開催され、70周年を記念して14のカテゴリーで22組のソングライターが受賞しており、受賞者の70%以上が初受賞となっている。
授賞式でU2はステージで受賞スピーチを披露しており、4人のメンバーがそれぞれスピーチを行っている。最後にスピーチを行ったのはボノで、ガザ・イスラエル紛争における平和を訴えている。「これからやる曲は反逆の曲ではないと紹介してきました。平和の可能性を信じることは当時も、今も反逆の行為だったからです。バカげた曲だという人もいました」
「あなたたちの国と私たちの国の間に平和が達成可能であると信じることはバカげた考えでした。なので、平和とは最も手に負えない状況で可能性を生み出すものであり、神は今だってまさにそのような可能性がいくつかあることを知っています」とボノは語っている。
「ハマス、人質を解放して、戦争をやめてくれ。イスラエル、ベンヤミン・ネタニヤフ首相と聖典を捻じ曲げる極右のファンダメンタリストから解放されてくれ」